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『ガンダム』ジオン軍はなぜ「潜水艦隊」を用意周到に準備し実戦投入できたのか?

アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するジオン公国は、スペースコロニーを領土とした国家ながら、地球侵攻時に潜水艦と水陸両用MS/MAを主力とする「潜水艦隊」を実戦投入します。海のない国がなぜ海軍を作ったのでしょうか。

開戦前から入念に計画

「なんともないぜ!」のセリフでおなじみ水陸両用MS。「MG 1/100 ゴッグ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「なんともないぜ!」のセリフでおなじみ水陸両用MS。「MG 1/100 ゴッグ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 アニメ『機動戦士ガンダム』には、「ズゴック」や「ゴッグ」「アッガイ」といった水陸両用モビルスーツ(MS)や、「マッド・アングラー」といった潜水艦隊など、水中戦に対応した兵器が多数、登場しました。ジャブロー要塞での激闘や、ジオンのスパイだった「ミハル」のエピソードなど、印象深い水中戦対応兵器の戦いも多く描かれています。

 ただ不思議なのは、海の存在しない宇宙人工都市「スペースコロニー」の国家であるジオンが、潜水艦隊や水中戦対応兵器の開発、配備を行っていることです。スペースコロニーとは、資料によって若干異なりますが、直径6.5km、長さ30kmから40km程度の円筒型が基本です。

『機動戦士ガンダム 公式設定集 アナハイム・ジャーナル』には、円筒内を水で満たした「レジャーコロニー」の設定がありますから、「海」のようなものがないわけではありません。しかしこの程度の大きさで、例えば水中速力30ノット(時速55.6km/h)のモビルアーマー(MA)「グラブロ」の試験をするのは困難でしょう。コロニーの直径を考えるなら、グラブロが最大速力で旋回したら壁に当たるかもしれません。

 ところが、そのように水中戦対応兵器は開発困難であるはずのジオンが、これを重視しています。最初の本格的水陸両用MS「ゴッグ」の開発は宇宙世紀0078年11月、つまり1年戦争の開戦前です。ゴッグは「ザク・マリンタイプ」の試験を元にツィマット社が水中実験機を制作し、それを改良して生まれたMSですから、0078年11月よりかなり前から水中戦対応兵器の開発が始められていたことがうかがえます。

 ジオン側としては「地球の7割を占める海洋の制海権を握りたい」「地球連邦軍の本拠地であるジャブローを攻撃したい」といった理由でこうした兵器を開発したとの設定ですが、これも不思議です。これは恐らく開戦後のジオン軍の方針なのでしょう。

 というのも、ジオン軍の開戦計画では、ジャブローはコロニー落としで破壊する予定だったからです。コロニー落としで起こった津波が地球連邦海軍の水上艦艇の大半を沈めてしまったので、残った潜水艦を接収して改造し、MS搭載型にした、というお話でもありました。

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