『ガンダム』MSの名前はどのように決めていた? 「ザクの由来」と「エルメスの問題」
「ガンダム」シリーズの第1作目『機動戦士ガンダム』には、さまざまなモビルスーツが登場し、当然ながら、それぞれの機体に名前が付けられています。どのようにあれほどのMSに命名してきたのでしょうか。
「ザク」の名前の決め方は意外とあっさり?
『機動戦士ガンダム』のモビルスーツ(以下、MS)「ザクII」は、「ジオン公国軍」のみならず、「ガンダム」「アムロ」「シャア」などとともに、作品そのものの「顔」のひとつといえる存在でしょう。
軍用兵器を連想させるカラーリングや、ひとつ目のモノアイといった革新的なデザインに加え、たった2文字という名前の覚えやすさも、人気を博したキッカケではないでしょうか。この「ザク」という名前は、どのような経緯で命名されたのでしょうか。
富野由悠季監督は、2021年に刊行された「MS図鑑 ザク」(双葉社)のインタビューで、ザクのネーミングについて回答しています。それによると、名前の由来は「『ザクザク』という歩く音」といい、敵メカの名前に困っていたところで、もうザクでいいか、いけるじゃないか、というテンションだったそうです。
こうしてザクの名前が決まってからは、MSを命名するにあたって「2文字で」「字数を多くしない」という基本路線ができたものの、結局は行き当たりばったりだったとか。その点、続編の『機動戦士Zガンダム』では、地域や時代を区切ってネーミングするようにしたといいます。
確かに『Z』で登場するMSの名前は、ガラリと雰囲気が変わりました。「ガルバルディβ」「リック・ディアス」「メタス」「ネモ」「マラサイ」「ハンブラビ」「アッシマー」「バイアラン」「バウンド・ドック」「パラス・アテネ」「ガザ」「キュベレイ」等々、欧州系や中東系を思わせるネーミングのほか、「百式」という漢字表記のMSも見られます。
一方で、2024年になり初めてガンプラ化されることで話題となった「ボリノーク・サマーン」の名前の由来が「森のくまさん」であることは、どうやら事実のようです。きっと、お忙しいタイミングだったのでしょう。