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昭和の子供も大人も魅了! こちらが俺たちの惚れた「あだち充ヒロイン」です

昭和のスポコンマンガブームのど真ん中にいたのはあだち充先生でしょう。多くの作品でヒットを飛ばし、老若男女を夢中にさせました。その作品に欠かせない、昭和男子の心をがっちりつかんだ明朗快活なヒロインたちを振り返ります。

昭和男子の心をつかんだ「あだち充ヒロイン」

平成になってからもドラマ化や続編アニメが放映される息の長い名作。『タッチ』完全復刻版 第1巻 (小学館)
平成になってからもドラマ化や続編アニメが放映される息の長い名作。『タッチ』完全復刻版 第1巻 (小学館)

 マンガ家のあだち充先生は、昭和スポコンマンガブームの波に乗って、多くのヒット作を生み出しました。彼の作品には、明るく、かわいく、非の打ち所がない、魅力的なヒロインが登場します。そうした、昭和男子が惚れた「あだちヒロイン」を振り返ります。

●ひたむきに幼なじみを応援する姿がかわいい「浅倉南」

 1981(昭和56)年に「週刊少年サンデー」(小学館)にて連載がスタートしヒットした『タッチ』のヒロイン「浅倉南」は、日本男児を魅了したキャラクターです。タレントの明石家さんまさんは理想の女性として名前を挙げ、夕方のTVニュースでは「南ちゃんを探せ」という、全国のスポーツ少女を取り上げるコーナーが放送されるなど、TVアニメ化後は社会現象といえるほどの作品になりました。

 南のアイデンティティは、容姿端麗、明朗快活、文武両道、同級生からも好かれる人気者で、三角関係が描かれた幼なじみの双子「上杉達也」「和也」や、父の面倒をかいがいしくみる優しい少女です。

 南に好意を寄せる和也は、彼女の憧れでもある「甲子園」を目指し、たゆまぬ努力を積み、かつ南はそれを応援するため野球部のマネージャーになります。しかしその実、南は達也に恋心を抱いているため、いかに和也が甲子園に出場しようとも、南と恋仲になることはなかったでしょう。

 そうした振る舞いや、のちに登場するイケメン球児「新田明男」に対する態度を見て、南をずるい女ととらえる読者もいるといいます。しかしながら、これは南のひたむきさや優しさが可視化しただけのことです。

 また、天才肌の和也よりも、当初はパッとしなかった達也に自分を投影する読者も多く、そのような等身大の少年を、学校のヒロインでもある南が好いているというのは、わが人生にも期待(夢)を持たせてくれるキャラクターでした。

●義妹と激重彼女がヒロインというどうかしちゃってる名作『みゆき』

『みゆき』は、1980(昭和55)年にマンガ雑誌「少年ビッグコミック」(小学館)にて連載がスタートした名作です。

 主人公の「若松真人」と血のつながらない妹の「若松みゆき(以下、みゆき)」、真人と同級生の「鹿島みゆき(以下、鹿島)」という、ふたりの「みゆき」との三角関係が描かれた作品で、1983(昭和58)年にアニメ化されます。そのエンディングテーマとなったH2Oの「思い出がいっぱい」は大ヒットし、のちに卒業式に歌唱される定番ソングになるほど、社会にも大きな影響を及ぼしました。

 みゆきは、勉強やスポーツ、そしてビジュアルまでもが優れる鉄壁のヒロインです。そうした彼女が、義理の兄でパッとしない真人と鹿島との関係が深くなると、嫉妬したり、ベタベタくっついてきたりする姿は、猛烈にかわいさを感じます。

 真人と住む自宅では、スカートのままヨガをしたり、水着になったりと、意図せず義兄の目をくぎ付けにする天然な部分もありました。自分がセクシーなばかりに義兄の受験勉強に支障が出ると気付くと、あえて「もさい」恰好をするという、思いやりもある少女です。

 かわいく甘えん坊、そして優しいみゆきのキャラは、理想の妹像で、当時の読者は『みゆき』の兄妹に憧れを抱いたものです。

【閲覧注意】サービスに定評のある『みゆき』原作をチェックする(6枚)

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