昭和の子供も大人も魅了! こちらが俺たちの惚れた「あだち充ヒロイン」です
『みゆき』もうひとりのヒロインは、恋人のために浪人…!

そして、『みゆき』におけるもうひとりのヒロイン、鹿島は、ロングヘアーで清楚な美少女というみゆきとは対局のビジュアルを備えた少女です。
鹿島も成績優秀、眉目秀麗なのに、なぜか物語冒頭から真人に好意を抱いており、しかも「自身のビキニを盗んだ真人を許す」という、心の広すぎる少女です。
また、真人と学力レベルを合わせた大学を受験し、自身は受かるものの真人が落ちると、ともに浪人生活を選択するという、良く言えば一途、悪く言えば激重ムーブを見せました。
少年読者は、パッとしない真人に自分を重ね、かわいい妹と一途な恋人が自分を取り合う夢想をしたものです。
ここまで、文字面だけで見るとヤバい香りしかしませんが、最終回とその前の2話は、いわゆる神回といわれるほど、昭和ヒロインを愛するおじさんには広く知られた名作です。
●恋人は大学生……『陽あたり良好!』のヒロインは岸本かすみ
『陽あたり良好!』は、1980(昭和55)年から「週刊少女コミック」(小学館)にて連載が始まった、あだち先生初期のヒット作です。アニメ化されると、ヒロインの「岸本かすみ」の声優は、テレビ番組『はやく起きた朝は…』などでおなじみの森尾由美さんが担当していました。

さて、この作品の主人公にしてヒロインであるかすみは、ショートカットで元気な高校1年生です。下宿所でともに暮らすクラスメイトの「高杉勇作」たちに、食事やお茶を作ってあげるなど面倒見のよい一面があります。
かすみと高杉は、日々の生活のなかで惹かれあっていくのですが、そもそもかすみには、下宿所に入る前から「克彦」というイケメン大学生の恋人がいました。
つまり本作の主人公にしてヒロインのかすみは、中学生の頃から、当時の年齢は明かされていませんが男子大学生と交際していたことに……危険な香りがします。
その後、下宿所に遊びに来た克彦から唐突にキスをされたかすみは狼狽してしまい、庭でのんきに蛍を探していた高杉に抱きつき涙するというシーンがあります。
かすみ……貞操観念はそれでいいのか? と読者を困惑させました。
とはいうものの、ヒロインとひとつ屋根の下に暮らし、さらに同じ高校に通うという常に共にいる展開は、こんな生活をしてみたかったなと思わせました。
※ ※ ※
浅倉南、若松みゆき、鹿島みゆき、岸本かすみという、あだち先生が生み出した稀代のヒロインを振り返ると、共通点がいくつか見えてきます。
それは、「パッとしない主人公に惚れ、イケメンをふる」「重めなプレッシャーをかける」「少年がたぎるサービスカットが手厚い」、そして「髪型を同じにしたら区別つかない」といった点ではないでしょうか。
それでも昭和時代にときめいたあだちヒロインは、おじさんになった今でも、独立した個性として魅力的に生き続けています。
(南城与右衛門)




