『金カム』完結後は何を描いてる? 大御所漫画家が次に放った「想定外」の最新連載3選
人気作品を生み出した漫画家の次回作は、どのような内容になるのか自然と注目が集まるものです。代表作とは真反対の題材や、前作の面影を感じさせるなど、その意外性に読者の間でもさまざまな声があがっていました。
大御所漫画家の気になる最新作に「らしさ」を感じる

大ヒット作を手掛けた漫画家が、その後どのような作品を描くのかは、多くの読者が注目するポイントのひとつです。なかには代表作とは異なる題材に挑んだり、新たな世界観を打ち出したりと、その方向性に驚きの声があがることも少なくありません。
●デビュー作ジャンルに原点回帰?
2026年3月13日に実写映画最新作の公開を控える大ヒットマンガ『ゴールデンカムイ』は、2022年に連載が終了しました。物語の完結後、作者の野田サトル先生が次に打ち出したのは、アイスホッケーを題材とした新作『ドッグスレッド』です。同作は2023年に、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載がスタートしました。
本作は、フィギュアスケート界を追放された主人公「白川朗」がアイスホッケーと出会い、仲間とともに競技へ打ち込む姿を描きます。
実は、野田先生の連載デビュー作は『スピナマラダ!』というアイスホッケーマンガでした。『ドッグスレッド』は、その原点となるジャンルに再び向き合った作品ともいえ、事実上のリブート作としても知られています。氷上競技ならではの迫力ある試合描写に加え、白川をはじめとする若者たちの葛藤や成長を丁寧に描く構成も印象的です。
舞台は同じ北海道ながら、時代背景やアイヌ文化を重厚に描いた『ゴールデンカムイ』とは方向性が大きく異なることもあり、ファンからは驚きの声があがっています。
さらに、大熱狂のうちに幕を閉じた「ミラノ・コルティナオリンピック」の影響でアイスホッケーに興味を持ち、本作を手に取る読者も増えているようです。競技人気の高まりとともに、今後さらに注目を集める作品となるかもしれません。
●3つの世界観が交錯する大好評の最新作
『うしおととら』『からくりサーカス』などで知られる藤田和日郎先生は、2025年から最新作『シルバーマウンテン』を「週刊少年サンデー」(小学館)で連載しています。
物語は、江戸時代の国学者「平田篤胤」が、神隠しから帰ってきたという少年「寅吉」の話を聞くところから幕を開けます。寅吉は天狗にさらわれ「仙境」へ辿り着いたと語り、さらに自身は未来から来て若返った存在だと明かすのでした。
本作は「平田篤胤」の実在した神道書「仙境異聞」をベースとしており、現代と江戸時代、仙境が交錯する複雑な物語が展開されます。序盤こそ江戸時代を思わせる世界観から始まりますが、物語が進むにつれてスケールは大きく広がり、単なる時代劇にとどまらない冒険譚へと発展します。さらに、武術や人情劇といった要素に加え、熱量の高いドラマや濃密なキャラクター描写も見られました。
妖怪退治やからくり人形との戦いなど、これまで壮大な物語を描いてきた藤田先生の作風は健在です。本作では3つの世界線が交錯する構図が採用され、より複雑でスケール感のある物語が展開されており、ファンは設定やキャラクターの随所に藤田作品らしさを感じているようです。
●あの大ヒット作品を手がけた漫画家が13年ぶりの登場
ドラマや実写映画化もされた大人気マンガ『僕だけがいない街』の三部けい先生の最新作『スノードロップ~あなたの死を望みます~』も、2025年から「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)にて連載中です。
本作はダークファンタジーな世界観が特徴のサスペンスホラー作品です。物語は、無口な主人公の女子高生「莉瑚」が、眠りにつくたび異空間へ足を踏み入れ、そこでさまざまな霊障を祓っていく物語です。翌朝目を覚ますと日付が変わっておらず、彼女は再び同じ1日を過ごすという謎めいた設定もあり、初回から掴みどころのない不穏さが際立っていました。
過去作ではタイムリープを軸に緻密なサスペンスを描いてきた三部先生ですが、本作でもその系譜を感じさせつつ、ホラー要素を前面に押し出している点が印象的です。物語の全貌はいまだ明かされていないものの、今後の展開への期待が高まっています。
さらに、三部先生にとっては13年ぶりの「ヤングガンガン」連載となることも話題です。長年作品を追い続けてきたファンにとっても、見逃せない新章といえるでしょう。
(LUIS FIELD)
