初期の面影どこいった? 途中から「とんでもない変貌」を遂げた“激変”主人公3選
「あのキャラ、序盤と全然違う」という体験は、マンガやアニメを長く追いかけてきた人ほど強く印象に残っているはずです。なかには、その変貌ぶりがあまりに鮮烈で、いまなおファンの間で語り継がれている主人公もいます。
あのー……同一人物ですよね?

マンガにおける主人公の多くは、物語が進むにつれて「成長」していくものです。『ONE PIECE(ワンピース)』の「モンキー・D・ルフィ」も、いまと昔では印象が大きく変化していますが、一方で「成長と呼ぶには変わりすぎだろ!」とツッコまずにはいられないケースも少なくありません。今回は、変貌ぶりが衝撃的だった主人公を振り返ります。
まず紹介したいのが、『はねバド!』(作:濱田浩輔)の主人公「羽咲綾乃」です。本作はインターハイ出場を目指す県立北小町高校バドミントン部を舞台にした物語で、綾乃は当初、内向的で気弱な人物として描かれていました。何かあるたびに親友を頼る一方、ラケットを握れば天才的なプレーを見せるというギャップが印象的でした。
しかし、のちにその圧倒的な実力は、母親の英才教育によって作られたものであることが明らかになります。過去の敗北から母親に距離を置かれた綾乃は、一時的にバドミントンから離れていましたが、同部の一員として再びコートに立つなかで、長らく眠っていた闘争本能を呼び覚ますことになるのです。
それ以降の綾乃は勝利に執着するあまり、かつての面影を感じさせない冷酷なプレイヤーへと変貌していきます。コメディ風の空気をまとっていた序盤から一転、作品全体のトーンも本格的なスポーツものへとシフトし、その落差がいっそう際立つ形となりました。読者の間で「別人」とまで言われるのも、無理はないでしょう。
変貌ぶりの衝撃さでいえば、『宝石の国』(作:市川春子)の主人公「フォスフォフィライト(以下、フォス)」も負けていません。本作は人の姿をした鉱物生命体と、月から飛来する謎の敵「月人」との戦いを描いた物語で、2017年にTVアニメ化されました。
宝石たちのなかで最年少のフォスは、硬度三半とひときわ脆い身体の持ち主です。その一方で「失った部位を別の物質で補填できる」という唯一無二の特性を備えており、身体の部位が欠損するたびに、さまざまな鉱物と結合を重ねてきました。
結合の対象は手足にとどまらず、頭部を別の個体に置き換えることもあり、その過程で性格にも大きな変化が生じていきます。それでも人の姿を保っていた頃はまだかわいらしさも残っていましたが、コミックス10巻以降では外見そのものが大きく崩れ、もはや当初の面影はほとんど残っていません。TVアニメではそこまでの変化は描かれていませんが、あまりに過酷な変貌ゆえに、映像化されていないことに安堵する声も見られます。
一方『がっこうぐらし!』(原作:海法紀光[ニトロプラス]、作画:千葉サドル)の主人公「丈槍由紀」は、内面に大きな変化を見せたキャラクターです。はじめ本作は学校で寝泊まりする「学園生活部」の日常を描いたほのぼのコメディのように幕を開けますが、実際はゾンビパンデミック後の荒廃世界を生き抜く少女たちのサバイバルホラーとなっています。
第1話で描かれた学園生活は、すべて由紀が現実逃避のすえに作り出した妄想であり、「学園生活部」の仲間たちは彼女の空想に合わせながら日々を生き延びていました。そのため物語初期の由紀は子供っぽく頼りない印象が強かったものの、次第に現実を受け入れ、頼もしさを感じさせるキャラクターへと変化していきます。
特にTVアニメの範囲外にあたるコミックス6巻以降では、その変化が顕著です。かつて仲間に支えられていた由紀が、リーダーとして仲間を支えていく姿は、アニメ版しか知らない人ほど驚きを覚えるかもしれません。
(ハララ書房)

