『ハルヒ』『コードギアス』の裏でカオス爆誕! アニメ黄金期に生まれた伝説の“迷作”たち
2006年はアニメファンにとって、まさに黄金期と呼ぶべき時代でした。『涼宮ハルヒの憂鬱』や『コードギアス』など、いまなお語り継がれる名作が生まれました。しかし、その一方で「迷作」と呼ばれるようなアニメも数多く生み出されていたことはご存知でしょうか?
伝説の「作画崩壊」から「カオス」な作品まで

いまからちょうど20年前、2006年は、後世に語り継がれる名作アニメが一斉に生まれた年でした。『涼宮ハルヒの憂鬱』『DEATH NOTE』『ひぐらしのなく頃に』『銀魂』『コードギアス 反逆のルルーシュ』『ゼロの使い魔』『ゼーガペイン』『Fate/stay night』などが放送され、アニメ史に残る黄金期として知られています。一方で、その裏では、後世まで語り草となる「迷作」もまた多く生まれていました。
『ルパン三世』のモンキー・パンチ先生が12年の構想を経て完成させたといわれるアニメ『MUSASHI -GUN道-』は、豊臣幕府が樹立したパラレルワールドの日本を舞台にした時代劇アクションです。
主人公の「ミヤモトムサシ」は拳銃と拳法を組み合わせた武術「GUN道」の使い手で、本来であれば映画『リベリオン』に登場する「ガン=カタ」のようなガンアクションが見どころになる予定だったのでしょう。しかし実際には、安定しない作画やぎこちない動きが目立つ、いわゆる「作画崩壊」の宝庫として知られることになります。
光っていないのに「うおっまぶしっ!」と言い放つ主人公や、奇天烈なGUN道奥義を披露する「タクアン和尚」など、その珍妙さがかえって視聴者に強烈な印象を残しました。放送から20年が経った現在でも、当時の衝撃を忘れられない人は多いのではないでしょうか?
ちなみに、かの有名な「キャベツ回」を生み出したアニメ『夜明け前より瑠璃色な ~Crescent Love~』も2006年放送の作品です。第3話に登場したキャベツが「ただの緑色の球体」にしか見えず、作品そのもの以上に作画が有名になりました。このエピソードは、伝説のキャベツ事件としていまなおネット上で語り継がれています。
そもそも『GUN道』や『夜明け前より瑠璃色な』といった作品が広く知られるようになった背景には、2006年にサービスが開始され、当時のオタクたちの情報の集積地となった「ニコニコ動画」の存在が影響していたのかもしれません。
そしてこれらの作品と同じく、ニコニコ動画の影響によって注目を集めたのが『人造昆虫カブトボーグ V×V』です。本作はタカラトミーのオリジナルキャラクター玩具「カブトボーグ」を原案としたホビーアニメですが、その実態はカオスと狂気に満ちていました。
例えば第1話では、主人公の自己紹介や彼らが戦わせているカブトボーグの説明がないまま、いきなり某大会の準決勝から幕を開けます。さらに決勝へと駒を進めた主人公は、オープニングでラスボス風に登場していた謎の組織の総帥「ビッグバン」と対決。激闘の末、その正体が主人公の父親であることが明らかになる……というのが第1話の「前半パート」です。
こうした最終回のような超展開や突き抜けたカオスぶりは、当時のニコ動ユーザーに面白おかしくイジられ続け、最終的には「伝説的なカオスアニメ」「人類には早すぎたアニメ」と称されるまでに至りました。
ほかにも2006年は、『大魔法峠』なる怪作OVAも生まれています。一見するとかわいらしい女の子が活躍する魔法少女アニメに見えますが、実際はヒロインの「田中ぷにえ」が、得意の関節技で悪を黙らせていくバイオレンスギャグです。またオープニング映像では燃え盛る日本文化財を背に、ぷにえが笑顔で踊るという強烈な世界観が展開されていました。
2006年は、アニメの黄金期であると同時に、混迷の時代でもあったのです。あえてこの時代の作品を掘り起こしてみると、令和のアニメでは味わえない栄養が得られるかもしれません。
(ハララ書房)



