『ガンダム』ザクの肩のトゲは意味あるの? 世代が進んでもずーっとあり続けるワケ
ザクIIの肩のトゲトゲ「スパイクアーマー」は、モビルスーツの世代が進化してもちらほら装備する機体が見られますが、いまいち有効に使われたのかは判然としません。どの程度先までトゲ持ちがいたのか、その存在価値を考察します。
戦闘に有効なの?
アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「ザクII」の肩には「スパイクアーマー」と呼ばれるトゲトゲがあります。モビルスーツ(以下、MS)の世代が進化しても装備している機体は見られますが、活用されたかというと正直、難しいところです。どの程度、先のMSまでトゲ持ちがいて、そしてその存在価値はあったのでしょうか。
●キシリアの命令で装備されたザクのトゲ
そもそもあの左肩のトゲ(スパイク)はジオン公国軍の「キシリア・ザビ」が、連邦軍もMSを開発することを想定し装備させたものでした。
つまり、トゲは対MS武装で、「マシンガン」や「ヒートホーク」といった武器があるにせよ、いざとなったらトゲタックルも有効であると想定されていたわけです。
ところがどうでしょう。連邦軍は「ガンダム」を開発したうえ、武器にはジオン軍のムサイ級軽巡洋艦の主砲と同程度の火力をもつビームライフルをもたせました。これでは、タックルというインファイトに臨む前に、撃ち抜かれてしまいます。トゲは活用される前に、連邦軍が装甲も武器も高威力の兵器を開発してしまったため、日の目をみることはありませんでした。
では、ザクIIサイドはトゲを有効に使おうとしたでしょうか? ア・バオア・クー防衛戦ではボールを蹴っ飛ばしたり、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』におけるザクII改と「アレックス」の一騎打ちでは体全体を使ったタックルをしたりと、千載一遇のトゲタックルチャンスを棒に振っています。
トゲタックルが決まったのは、「シャア」が操縦する彼の専用機でのものぐらいしか思い出せません。このときはガンダムのシールドで受けられていました。キシリアが想定したより、トゲタックルは難易度が高いのかもしれません。
このように、トゲが有効活用された様子は見られなくても、以降のMSになぜか継承されていくのです……。