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FC版『ドラクエ3』の「説明書」←ほぼ「攻略本」? めっちゃ重要な“謎ポエム”

みなさんは、ファミコンソフトの説明書を「読む派」、「読まない派」、どちらでしたか? いずれにせよ『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の説明書に関しては「読む派」に軍配が上がりそうです。

そうか説明書を読めばよかったのか…でも読まないやつは一生読まない!

「ぼうけんのしょ」が消えないよう、そーっと使っていたファミコンソフト『ドラクエ3』(マグミクス編集部撮影)
「ぼうけんのしょ」が消えないよう、そーっと使っていたファミコンソフト『ドラクエ3』(マグミクス編集部撮影)

 ゲームプレイヤーには大きくふたつに分けられます。説明書を読むタイプか、読まないタイプか、です。ゲームを楽しむためにしっかり説明書を読み込む人もいれば、いち早くプレイしたいためにやりながら覚えていたなんて人もいることでしょう。

 とりわけ「ドラゴンクエスト」のようなシリーズものの最新作をプレイする時などは勝手が分かっているので、「読まずにプレイ」する人が増える傾向にありそうです。(実際、筆者もそういえばほぼ読んでおりませんでした)

 さてここでHD-2D版が大きな話題を読んでいる『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』のファミコン版における説明書を改めて「読み込む」ことをしてみました。するとそこには、当時苦戦したことへの信じられない「攻略法」が、当たり前のように書かれているではありませんか。

 ファミコン版の説明書の最後の部分をめくってみましょう。そこには「旅のヒント」と題された冒険を進めるにあたっての具体的なアドバイスが書かれていたのです。

 まず目を引くのが初期の「パーティー編成」に関する項です。『ドラクエ3』は自分で仲間を編成できるのですが、どの職業を仲間に加えるべきかはいまだに議論が分かれるところです。ところが説明書には、このパーティー編成に関してこんなことが書いてあるのです。

「初めにつれてゆく仲間は、戦士、僧侶、魔法使い、の3人がベストです」

 結論が出ているではありませんか。確かによく見る編成ではありますが、これが公式で最初っから「ベスト」のお墨付きをいただいていたのです。なんだ迷う必要などないではありませんか。武闘家は、気の毒ですが置いていきましょう。

 そして今回、最も衝撃だったのが以下のヒントです。

「“愛の思い出”はオリビアののろいが出現している最中に使えばいいのですよっ。」

「ですよっ。」の語尾がチャーミングではありますが、そんなことより衝撃です。初見で読んだら「なぜ急にポエムを?」と小首を傾げてしまう文言ですが、これこそ地味に『ドラクエ3』の最大の難関と目されているイベントの攻略方法なのです。

 というのもこれは「オリビアの岬」に関する攻略法で、この岬を通行するためのアイテムこそが「愛の思い出」であり、その使用タイミングが非常に分かりづらいことはファンの間でも有名です。筆者もここで「詰んだ」と勘違いして、しばらく冒険から離れた記憶があるので、なおさら読んでおけばよかったと後悔しております。ほぼほぼここに全てが書かれていたのですから。

 さて、このファミコン版の説明書は実に59ページもあり、なかなかのボリュームです。「ドラクエ」の歴史は製作陣にとって容量との戦いの歴史でもありました。少しでも情報量を削るためにも、説明書に「託し」たものが多かったのかもしれません。

それにしてもファミコン版説明書の、なんともいえぬ脱力したイラストたちは、どなたが描いたのでしょうか。これが、未だ残る『ドラクエ3』の謎です。

(片野)

【画像】えぇ…ちゃんと読んだらお茶吹いた! コチラがHD-2D版で明かされた『ドラクエ3』モンスターたちのオモロ設定です(6枚)

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