カセットテープでゲームしてたプレイヤーすら投げ出したロード酷過ぎなファミコンゲー
「ロードが長過ぎたり頻繁過ぎるあまりゲームのプレイを挫折した」という事態は、こんにちではあまり見られなくなったものの、昭和や平成初期にはそこそこ聞かれるエピソードでした。そうしたファミコンやパソコンのレトロゲームを振り返りましょう。
長過ぎるロード時間にプレイを投げ出したファミコンのゲーム

技術が進歩したことにより、令和の現代で「ゲームのロードが長過ぎてうんざりする」という話は滅多に聞かなくなりました。昭和から平成初期にかけてのゲーム作品には、この「ロード時間が長過ぎてイライラする」という現象がそれなりに見られ、そうした斜め上の方向からプレイヤーにインパクトを与えたことで広く知られるタイトルもあります。
ファミリーコンピュータのディスクシステム用ゲームにも、そうした「ロードが長過ぎて進まない!」と叫びたくなるものが見られました。こうした話題でよく挙がるのは、1987年に発売された『レリクス暗黒要塞』(ボーステック)でしょうか。パソコン用ゲームとしてヒットした、現代風にいえばメトロイドヴァニアに分類されるであろうアクションアドベンチャーの移植作で、ゲーム開始と同時にありえないほどのローディングと向き合うことになります。
この「ありえないほど」というのは大げさでもなんでもなく、たとえばマップの切替時にロードが発生するのはまだしも理解できるとして、そのマップのなかで自キャラを移動させるだけでもロードが発生するという、理解しがたい頻度でした。ロード中は「おまちください」の7文字が都度、画面に表示され、ゲシュタルト崩壊待ったなしです。アクションゲームのはずなのですが、「アクションとはなんぞや」という禅問答のような境地に達することでしょう。
当時パソコンで、テープメディアのゲームをプレイしていた「ロードには辛抱強いはずのプレイヤー」も、この『レリクス暗黒要塞』は断念したといいます。
「テープと比べ、ファミコンのディスクシステムは格段に(ロードは)早いはずなのですが、それでも耐えられなかった理由のひとつは、『レリクス』がアクションゲームだからでしょうね。当時、というかファミコン発売当初から軽快なアクションゲームは沢山ありましたし、同じディスクシステムのアクションゲームでも、快適爽快なものは沢山ありました。操作性も褒められたものではなかったように思います」(50代男性)
ここでいう「テープ」とは、いわゆる「カセットテープ」のことです。もはや見なくなって久しいこの記録メディアは、音楽用途のほかにも、パソコンなどでデータ記録用に使用されていました。ファミコンにも、おもに「ファミリーベーシック」向けの周辺機器として「データレコーダー」が発売されています。