主人公←いや、お前じゃないんかい! 名前と顔が間違えられがちな人物3選
タイトルに人の名前が入っていたら、それが主人公の名前だと考えるのは一般的でしょう。ただ、世の中にはタイトルに名前が入っているのに、その人物は主人公ではなかった、という作品もありました。
令和世代だと知らない人も多そう
『ヒカルの碁』『葬送のフリーレン』『風の谷のナウシカ』のようにタイトルに主人公の名前が入っている作品は数多く存在します。
しかし、その一方でいかにも主人公のような名前がタイトルに入っていながら、それが主人公の名前ではなかった、というパターンでファンを驚かせることもありました。
例えば『AKIRA』は、タイトルに「AKIRA」と入っていながら、主人公は「金田」です。金田は、赤いバイクと赤いジャケットという組み合わせが印象的な暴走族のリーダーでした。
なお「AKIRA」は作中にまったく登場しないわけではありません。直接的に登場することはないものの、実は物語のなかで重要な鍵を握る、強大な超能力を持っていた存在の名前が「AKIRA」だったのです。
続いて、実写ドラマ化もされている『天才バカボン』です。特に若者は、茶色い腹巻に草履、ハチマキのように頭に巻かれたタオルが印象的なキャラクターを「バカボン」と認識している人も多いのではないでしょうか?
作中でも腹巻をしたおじさんの方が印象深いため、勘違いしても仕方がないかもしれません。ただ、その人物はバカボンではなく「バカボンのパパ」です。
実際のバカボンは、うずまき模様の着物を着たバカボンのパパの子供のことでした。
ちなみに「週刊少年マガジン」(講談社)での連載第1回では、扉絵に「バカボンとは、バカなボンボンのことだよ。天才バカボンとは、天才的にバカなボンボンのことだよ」と記載されていました。そのため、タイトル『天才バカボン』は、誰かひとりを指す言葉ではない可能性もあるようです。
そして『涼宮ハルヒの憂鬱』も『天才バカボン』同様で、作中でもっとも「涼宮ハルヒ」が目立つ作品でした。「この作品はハルヒが主人公」といわれても納得するほど、ストーリーはハルヒを中心に進みます。
確かにハルヒは「もうひとりの主人公」という設定です。ただ、設定上の主人公はもうひとりいます。ハルヒのクラスメイトで、ハルヒのひとつ前の席に座っていた男子生徒「キョン」でした。
彼は語り手的な立ち位置で、ハルヒの無自覚な超能力による被害を防ぐため、「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」略して「SOS団」のメンバーと日々奮闘しています。ハルヒの活躍に埋まりがちですが、物語を進めるうえでキョンは欠かせない、重要な役どころです。
タイトルに名前が入っていると、「それが主人公だろう」と多くの人が考えるものです。今回取り上げた作品の作者は、それぞれどんな想いで、このタイトルを付けたのか、いつか聞いてみたいですね。
(マグミクス編集部)