もしもUFOや宇宙人に遭遇したら? 美女エイリアンが挑発するSF映画3選
日本を代表する美人女優も宇宙人役に挑戦
●沢口靖子さんが「かぐや姫」演じた、SF時代劇『竹取物語』
江戸時代の日本にも、「うつろ舟」と呼ばれるUFOが飛来したことが伝承されています。そんな「うつろ舟」伝承と昔話「竹取物語」を組み合わせたのが、市川崑監督が撮ったSF時代劇『竹取物語』(1987年)です。かぐや姫は宇宙人だったという設定となっており、絶世の美女・かぐや姫役は『科捜研の女』(テレビ朝日系)や「ルヴァン」のCMでおなじみの沢口靖子さんが演じていました。
『スペースバンパイア』や『スピーシーズ』のようなセクシーシーンはありませんが、かぐや姫の美しさに魅了された貴族(中井貴一)たちはかぐや姫から難題を言い渡され、とんでもない目に遭ってしまいます。クライマックスには、『未知との遭遇』(1977年)のマザーシップばりの巨大UFOが出現し、「人間の真心、忘れません」という言葉を残してかぐや姫は去っていきます。
豪華キャストの割には残念な興行結果だったものの、人間離れした美女・かぐや姫役に沢口靖子さんはぴったりでした。20年以上にわたって『科捜研の女』に主演し、今なお美貌に衰えのない沢口靖子さんも、とてもミステリアスな存在です。
SF映画に現れる地球外生命体は、「グレイ型」と呼ばれる小型宇宙人か、美女エイリアンであることが多いようです。「エイリアン=美女」という思考パターンは、おそらくUFO研究家ジョージ・アダムスキー氏が「私は金星人と会った」と主張したことに由来するようです。アダムスキー氏が見せた金星人の絵が、かなりの美女でした。
東宝の特撮映画『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年)では若林映子さんが、吉田大八監督の『美しい星』(2016年)では橋本愛さんが、それぞれ金星人を演じています。美人女優は宇宙人役がよく似合います。
美女エイリアンは登場しませんが、カール・セーガン原作のSF映画『コンタクト』(1997年)も興味深い内容でした。地球外生命体の存在を信じる天文学者エリー(ジョディ・フォスター)の前に、彼女が幼い頃に亡くなった父親が現れます。宇宙人はエリーの警戒心を解くために、彼女が親しみを感じる人の姿を借りたのです。高度に文明の進んだエイリアンなら、地球人の望む姿に擬態することも可能なのかもしれません。
エイミー・アダムス主演映画『メッセージ』(2016年)では、主人公は地球外生命体と交流することで、高次元の意識へと目覚めることになります。UFOとの接触は、人類にとって新しい時代の始まりとなるのでしょうか。
最後にもうひとつ、自衛隊府中基地内に新たに発足された「宇宙作戦隊」ですが、名称は一般公募にして改めてはどうかと思います。
(長野辰次)