『ジークアクス』の連邦が相当ヤべぇんじゃないか説　レビル将軍マジピンチ？【考察】

「ジオンに兵なし」と訴えた「その後」

　劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX（ジークアクス） -beginning-』は、2025年1月17日の公開から31日間で、興行収入25億3241万円、動員155万4千人を突破したとのことです。

※以下、劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のネタバレを含む記述がございます。

　公式の情報解禁もあり、ますます話題となっている本作について、一部のファンからは「ジオンが勝ったほうが良かった」などという声も聞かれるようです。

　一方、気になるのは地球連邦軍の面々ではないでしょうか。劇場先行版においてはほとんど言及がありません。いったいどうなっているのでしょうか。公式情報から色々、考えてみました。

●英雄から大戦犯になったレビル将軍

　レビル将軍とは『機動戦士ガンダム』に登場した連邦軍の高官で、ジオン軍に対し徹底抗戦を呼びかけた人物です。

　彼は一年戦争の最序盤の戦い「ルウム戦役」において、ジオン軍の捕虜になるも脱出に成功します。そして地球連邦政府がジオン公国との休戦条約に調印しようとしていたまさにそのとき、「ジオンに兵なし」と戦争継続を訴えかけました。彼は捕虜になっているあいだに、想像以上に疲弊しているジオン軍の内情を知ったからです。

　ここから「V作戦」により、連邦サイドでもモビルスーツ（MS）の開発や量産、運用などが始まり、国力で勝る彼らの巻き返しが始まります。レビル将軍には先見の明があったといえるでしょう。

　将軍は一年戦争の最終盤、「ソーラ・レイ」によって戦死します。その功績を称え、地球軌道艦隊の旗艦であるドゴス・ギア級2番艦は「ゼネラル・レビル」と命名されました。

　このように、レビル将軍の言動が称賛され、旗艦に名前が冠されるほどの名誉を得たのは、最終的に連邦が勝てたからです。残酷なことに、その「訴え」が誤りだったとされるのが『ジークアクス』の世界です。休戦直前で戦争継続を訴えたにもかかわらず、戦争に負けてしまいました。

●休戦条約を結んでおけばよかった残酷な世界

　条約の条件にもよりますが、休戦条約を結ばなかったために連邦軍は大きな代償を支払うことになります。最も大きな問題は宇宙への足がかりを失ったことです。月面都市「グラナダ」はジオンの勢力下にあり、宇宙要塞「ルナツー」も陥落しました。連邦軍はジオンの宇宙要塞「ソロモン」の攻略には成功したものの、グラナダへ落とそうと使い潰してしまったので、拠点としては運用できないと見られます。連邦軍は、地球から宇宙に出ることすら難しい状況になったのではないでしょうか。

　レビル将軍が徹底抗戦を呼びかけず、ルナツーが健在なうちに休戦してこっそり「V作戦」を進めていれば、反攻作戦の可能性もあったでしょう。しかし『ジークアクス』世界で連邦軍がジオンに再戦を挑むのは、難しいかもしれません。

●軍人の立場はどうなる？

　地球連邦という巨大組織が腐敗した官僚制であることは「ガンダム」シリーズ作品で繰り返し語られています。その官僚支配を受け、現場の現実とのギャップに苦しめられていたのが、「ブライト・ノア」をはじめとする良識的な連邦軍の軍人たちでした。

　しかし『ジークアクス』世界では、戦争をやめようとする官僚に逆らい、軍人の演説によって戦争を継続したにも関わらず敗戦し、より悪い条件で終戦を迎えているものと見られます。その責任はまさに軍部にあるといえるでしょう。

　そのため『機動戦士Zガンダム』で登場した「ティターンズ」のような軍人組織が権力を握る可能性は低いと思われます。彼らが台頭できたのは「勝てたから」です。地球連邦では、官僚支配はますます強まり、軍人への風当たりもきつくなっていることでしょう。地球に住む人々の世論もわかりやすい責任者を求めるはずです。

　そこで注目を集めるのが徹底抗戦を呼びかけた張本人であるレビル将軍です。『ジークアクス』の世界で史実のように戦死していなかった場合、彼の運命は戦犯として処刑されるなど、過酷なものになりそうです。