「リョウと香は結婚したの？」『シティーハンター』の「実は知らない」最終回

ふたりの関係は結局どうなった？

　北条司先生によるマンガ『シティーハンター』が、2025年2月26日に連載開始から40周年を迎えました。2024年にはNetflixで鈴木亮平さん主演による実写化ドラマが配信されるなど、現在でも根強い人気を誇る本作ですが、意外と「最終回」を知らない、覚えていないという人も多いのではないでしょうか。

　この記事では、東京・新宿を拠点とする凄腕のスイーパー（始末屋）の主人公「冴羽リョウ」と、亡き相棒の妹であるヒロイン「槇村香」の関係を中心に、原作マンガ版とアニメでどのような最終回を迎えたのか、振り返ります。

●原作マンガの最終回

「FOREVER, CITY HUNTER!!の巻」と題された原作の最終回では、リョウと互角の腕を持つ始末屋「海坊主」とその相棒「美樹」の結婚式が描かれます。華やかな結婚式の最中、リョウを狙うラトアニアのクロイツ将軍一派が結婚式を襲撃し、香がさらわれて人質になってしまいます。これは、とある理由でリョウを逆恨みしたクロイツ将軍による画策でした。

　これを受けて、リョウと海坊主は香救出のために動き出します。クロイツと対峙したリョウは、「おれは何がなんでも愛する者のために生きのびるし 何がなんでも愛する者を守りぬく!!」と言って、香を救出。香は「うれしかった…」と応え、ふたりは抱き合って喜びを分かち合いました。

　その後は、友人たちとともに、リョウと香は変わらぬ日常生活を平和に送っていることが描かれます。結婚など具体的な関係は明示されていないものの、公私ともに良好なパートナーが続いていくことが暗示されている最終回でした。

●アニメ版の最終回

　一方、アニメはどのような結末を迎えたのでしょうか。

　TVアニメシリーズ『シティーハンター』は、『シティーハンター』（1987年4月放送開始）、『シティーハンター2』（1988年4月放送開始）、『シティーハンター3』（1989年10月放送開始）、『シティーハンター’91』1991年4放送開始）の4シリーズがあります。

　ここでは、原作マンガの連載終了と同じく、1991年に放送された『シティーハンター’91』の最終回「鎮魂のララバイ 遠い国からきた貴公子」を振り返りましょう。

　兄「秀幸」の墓参りに来た香は、不治の病で余命いくばくもないドイツ人の少年「ハンス」と出会います。彼を家に招き入れる香でしたが、彼の正体は、地獄の貴公子の異名を持つ殺し屋でした。組織のボスを殺し、逃げるため日本にやってきたのです。

　亡き母に香を重ね、心を開いていくハンスでしたが、ある日、彼を追ってきた組織が香を誘拐。駆けつけたリョウはハンスとともに追いかけ、組織のボスと対峙します。香を人質に取られ、リョウとハンスは一騎打ちを命じられるも、敵の目をあざむき、見事、香を救出します。

　しかし、ハンスは撃たれてしまい、思いを寄せる香に看取られて亡くなるのでした。

＊　＊　＊

　こうして比較すると、リョウと香ふたりの関係の進展が描かれたのは、原作マンガの最終回だったといえるでしょう。とはいえ、原作マンガでもふたりの結末が、明確に描かれたわけではありません。今後『シティーハンター』シリーズのアニメや実写化作品の続編がつくられた際に、その後のふたりを描いてほしいというファンも多いことでしょう。