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まさかの“裏切り”に「ウソでしょ?」 大切な人の手で完敗した主人公たち

アニメのクライマックスでは必ずしも主人公が勝利するとは限らず、ときに敗北するような展開も描かれます。しかし、衝撃的な敗北が描かれたからこそ、視聴者の印象に残った作品も少なくありません。

登場人物の複雑な思いがからみ合う

画像は『響け!ユーフォニアム3』メインビジュアル (C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
画像は『響け!ユーフォニアム3』メインビジュアル (C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

 物語のラストは、紆余曲折ありながらも主人公が勝利を収めて大団円、という展開が定番の流れでしょう。しかし、なかには予想外の「裏切り」によって主人公の敗北で終幕する作品もありました。

※この記事には『響け!ユーフォニアム3』『DEATH NOTE』『魔法少女まどか☆マギカ』の重要なネタバレを含みます。

 例えば『DEATH NOTE』では、幾重にも裏切りが積み重なった結果、主人公「夜神月(ライト)」が敗北を迎えます。同作は、死神「リューク」の落とした「デスノート」を拾った月が、「キラ」として犯罪者を裁いていく物語です。しかし、最後に探偵「L(エル)」の遺志を継いで事件を捜査する「ニア」によって月は追い詰められます。

 まず、キラを崇拝する検事「魅上照」が「何もするな」という月の指示を破り独断で行動した結果、ニアたちにノートの隠し場所を知られる手がかりを残してしまいます。さらにキラ捜査本部の刑事「松田桃太」も、月が腕時計に隠していたノートの切れ端に名前を書き込もうとした際に銃撃し、阻止しました。

 最終的には、デスノートを人間界に持ち込んだ死神の掟として、ずっとキラの計画を側で見ていたリュークが月の名前をノートに書き、命を奪いました。

 続いて「響け!ユーフォニアム」シリーズの3作目『響け!ユーフォニアム3』では、主人公「黄前久美子」の敗北が描かれます。同作は北宇治高校吹奏楽部に入部した久美子が、吹奏楽を通して成長していく青春部活動アニメです。特に、久美子と同級生の「高坂麗奈」は、ときに互いの感情をぶつけながらも切磋琢磨する親友でした。

 終盤12話では、全国大会でのユーフォニアムのソロパートを決めるオーディションが実施されます。勝負は強豪校から転入してきた同級生「黒江真由」と久美子の一騎打ちとなりました。

 オーディションは奏者の姿が見えない形で行われましたが、麗奈はどちらの音が久美子なのか分かっていながら真由に票を投じます。

 麗奈が決断を下す直前、かつて久美子と交わした「裏切らない」という約束のシーンが描かれます。この判断は麗奈にとっても苦しい判断でしたが、久美子への愛ゆえに「1番」だと思った真由に票を投じたのでしょう。

 最後は「魔法少女まどか☆マギカ」シリーズです。この作品では魔法少女のひとり「暁美ほむら」の行動が観た人を驚かせました。

 TVシリーズでは大切な親友「鹿目まどか」を救うため、何度も時間を繰り返していたほむらの過去が明かされます。最後にまどかは魔法少女になり、すべての魔法少女を救うという願いのために世界の法則「円環の理」の一部となって消えました。

 しかし、続編となる『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』ではTVの最終回で消えたはずのまどかが家族と平和に暮らしています。これはほむらを利用した「インキュベーター(キュゥべえ)」の企みで、ほむらが事件の真相を解き明かした結果、まどかも記憶と能力を取り戻します。

 そして事件解決後、予期せぬ裏切りが待っていました。ほむらは神に等しい力を持つまどかから、その力と人間の精神を分離し、新たな世界を創り上げたのです。ほむらの手によって改変された世界は、すでにほころびを見せており、不穏な予感を残したまま物語は幕を閉じます。

 2025年冬には「叛逆の物語」のその後が描かれる『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』が公開を控えています。彼女たちはどのような結末を迎えるのでしょうか?

(LUIS FIELD)

【画像】責任重すぎるって… こちらが最後の1票を投じた『ユーフォ』主人公の親友です(4枚)

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