今こそ読みたい『銀河英雄伝説』 バージョンは7種類も、選び方は?
1982年に第1巻が刊行されて以降の累計発行部数1500万部以上という大ベストセラー『銀河英雄伝説』。自宅で過ごす時間も増えがちな今、オススメの大長篇小説です。しかし、歴史が長い分、数多くのバージョンが刊行されており、未読の人は違いも分からないはず。そこで、絶版の物も含めて、小説『銀河英雄伝説』の各版の違いを紹介します。
初めての『銀河英雄伝説』には、どのバージョンを選ぶ?
「STAY HOME」という生活スタイルが掲げられて以降、自宅で過ごす時間が増え、気になりながらも手を出せていなかった本、アニメ、ゲームなどを楽しんでいる人はまだまだ多いはず。そんな方にオススメしたいのが、4月からNHK Eテレで放送中のアニメ『銀河英雄伝説Die Neue These』の原作である田中芳樹氏の『銀河英雄伝説』(以下、銀英伝)。本伝(本編)だけで全10巻という大長編小説ですが、第1巻を読み始めてしまえば、銀河の歴史の大変動期を描いた物語が気になり、最終巻まで読み進めたくなるはず。
ところが、ネット書店で『銀英伝』の小説を探すと、さまざまな『銀英伝』が表示され、どれを読めば良いのか迷うかもしれません。なぜなら『銀英伝』は、電子書籍を含む7種類ものバージョンが刊行されているからです。そこで、未読の人向けに各バージョンの特徴を紹介しましょう。
●「トクマ・ノベルズ版」(1982年~1989年)
最初に刊行された『銀英伝』で、本伝の全10巻は描き下ろし。外伝の全4巻には雑誌掲載された長篇が収録されています。第1巻発売から20年以上も増刷され続けたため、『銀英伝』といえば「加藤直之氏のイラストが表紙のトクマ・ノベルズ版」というファンも多いでしょう。
●「愛蔵版」(1992年、1998年)
トクマ・ノベルズ版の内容を本伝5冊、外伝2冊にまとめた収納箱付きの豪華装丁版です。
●「徳間文庫版」(1988年、1996年~1998年)
外伝1巻『星を砕く者』だけが『銀英伝』の初アニメ化に合わせて1988年に発売。その後、本伝全10巻も文庫化されました。
●「徳間デュアル文庫版」(2000年~2002年)
若年層を意識して、イラストも数多く収録したライトノベルレーベルで、各巻を2分冊して収録。また、雑誌で発表されながら、それまで未収録だった短編をまとめた『黄金の翼』が外伝1巻として発売。トクマ・ノベルズ版の1巻~4巻は、2巻~9巻となり、本伝が全20冊、外伝が全9冊というラインナップで刊行されました。