アニメ界に「反ルッキズム」の流れあり!? 主人公のルックスが特徴的な夏アニメ3選
アニメにはイケメンや美女ばかり。しかし今夏のアニメにはそんな風潮に「NO!」を叩きつけるような見た目の主人公が見られます。彼・彼女らは作品内でどんな扱いを受けているでしょうか。
イケメンや美女じゃなくてもいいよね

夏の新作アニメを50音順のリストで眺めた人は、「ん?」と気になるポイントがあるのではないでしょうか。『ブスに花束を。』『ブサメンガチファイター』とルックスに関わる刺激的なワードが冠せられたアニメが並んでいるのです。
人を外見だけで評価したり、差別したりする考え方や行動……いわゆる「ルッキズム」が批判されることも多い昨今、上記2作品を含む夏アニメでは、個性的なルックスのキャラクターはどのように扱われているでしょうか。
●『ブスに花束を。』
『ブスに花束を。』は少女マンガのような恋愛に憧れながら、非モテでぼっちな女子高生「田端花(CV:早見沙織)」が、クラス一のイケメンと親睦を深めていくラブコメディです。
この主人公は、ぽっちゃり体型であり「ブス」「ぼっち」と自己評価も低いものの特に他者から虐げられているわけではありません。むしろ早見沙織さんのテンションの高い演技のおかげで(オタクっぽい)元気さが強調されています。そもそも花ちゃん、イケメン&美女ばかりなアニメ界では確かに少し個性的かもしれませんが、清潔感もあって素敵な女性です。
●『ブサメンガチファイター』
『ブサメンガチファイター』は「ブサメン」で悲惨な人生を送る「しげる(CV:諏訪部順一)」が異世界に転移し、規格外のパラメータを活かして冒険するファンタジー作品です。第1話では現実世界での見かけに輪をかけてとんでもない見た目となったしげるが、ヒロインからも忌避されるシーンがあり、ルックスが悪いことはネガティブな要素として描かれます。
ただし、しげるはチート的な能力を手に入れる代償として「ルックス -255」と自ら設定しており、主体的にブサメンとなったのが珍しい点です。また序盤でしげるを避けたヒロインも第1話の最後には主人公のことをルックスで判断しなくなっており、今後「ブサメン」要素がどのように扱われるか気になります。
●『ファムファタル育成計画』
原作とシリーズ構成を『薬屋のひとりごと』の日向夏先生が担当する『ファムファタル育成計画』の主人公「阿多川祐樹(CV:山下大輝)」は170cm95kgの「愛されるデブ」です。
同作は彼が従妹を傷つけた元カレを見返すため、「俺が美女になって惚れさせて、手ひどく振ってやる!」とダイエットを決意する物語です。彼はコンプレックスに苛まれているどころか行動力にあふれており、ギャルから「デブのほうがかわいいのに」と言われるほど周囲から愛されるのも納得の好漢でした。
と、今夏はルックスについて考えさせられる3作が初週時点でありました(※『ファムファタル育成計画』は先行配信作品)。ただ、意外とどの作品も見た目についてはカラッと扱われていて、あくまで序盤の舞台装置レベルくらいの印象です。むしろ今期は『薫る花は凛と咲く』の強面な高校生「紬凛太郎(CV:中山祥徳)」が一番見た目に悩んでいる程度かもしれません。
(はるのおと)