破壊が気持ちイイ『ドンキーコング バナンザ』に絶賛の声 爽快アクションどう実現?
シリーズ最新作『ドンキーコング バナンザ』が好評のようです。ネット上ではその「なんでも壊せる」アクションに絶賛の声が挙がっています。爽快な「破壊」の「遊び」は、どのように作られたのでしょうか。
「なんでも壊せる」の気持ちよさとその実現

みんな「破壊」の爽快感を大いに楽しんでいるようです。
2025年7月17日、Nintendo Switch 2向けソフト『ドンキーコング バナンザ』が発売されると、X(旧Twitter)では早速トレンド入りするなど、注目を集めていました。
その投稿を追っていくと、『スーパーマリオ オデッセイ』と似た感触という声が聞かれます。それもそのはずで、本作はその『オデッセイ』のスタッフチームが開発に関わっているのです。また、「歌声」で「ドンキーコング」が変身し新たな能力を得る要素が「新鮮で楽しい」といった感想や、そのドンキーコングのパートナーとなる「ポリーン」との絆を描く物語が感動的であるといった投稿も見られました。
しかし圧倒的に多く聞かれたのは、「破壊」の爽快感がたまらない、楽しい、といった声です。本作は、行く手を阻む壁はもちろん、山や地面といった地形などありとあらゆるものを殴って破壊しながら、広大な地下世界を探索していく3Dアクションゲームであり、その自由度と爽快感が「日頃のストレスが吹き飛ぶ」「破壊衝動を満たしてくれる」と絶賛されていることがうかがえます。
これまで「ドンキーコング」シリーズにふれたことがなかったというユーザーのAさんは、「バナンザ Direct(任天堂のネット配信映像コンテンツ、2025年6月18日配信)で観て、なんでも壊せるのが楽しそうで購入した」といい、「実際、プレイしてみて楽しすぎます」と大絶賛でした。
もう少し言うなれば、この「破壊」アクションが、これまで味わえなかった「新しい遊びの体験」として評価されている様子なのです。
任天堂が2025年7月15日に同社公式サイトで公開した記事「開発者に聞きました 『ドンキーコング バナンザ』」では、この「破壊」を「遊び」に転化していく過程が、スタッフインタビューを通し詳細に語られています。
それによると、本作『ドンキーコング バナンザ』を作り始める前から、「地形を全部壊せたらどういうゲームになるのか」というテーマの技術検証が行われていたといいます。その「破壊の遊び」が作れそうだという検証結果と「ドンキーコング」というキャラクターのイメージがマッチすることで、「今作のコンセプトとメインとなる遊びがガッチリはまった」(任天堂 企画制作部 プロデューサー 元倉健太さん)のだとか。
その「遊び」を実現しているのが「ボクセル技術」というものです。ボクセルとは、ごく簡単にいえば「立方体の小さな粒」のことで、そのボクセルひとつひとつに、砂や土、草などの「性質(柔らかい、滑る、など)」や「見た目」が設定されています。これを並べて地面をつくり、草を生やし、家を建て……と地形を作っていき、そしてその地形はボクセル単位で破壊できる、という仕組みです。当然、情報量も膨大なものになりますが、そのあたりはSwitch 2のメモリーと処理能力で実現できたといいます。
そして60fpsで描くことや、バリエーション豊富なSE(効果音)により、破壊の瞬間をリッチに、気持ちの良いものとして表現できたのだそうです。
ちなみに、敵ではないNPC(ノンプレイヤーキャラクター)であるサルを殴ろうとするとハイタッチになります。アクションに制限をかけたりスルーしたりするのではなく、きちんとリアクションが返ってくるというのは、実に本作のコンセプトに沿ったものといえるでしょう。
(マグミクス編集部)