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『ばけばけ』恐ろしいくらい当たってるトキの「恋占い」は実話だった? 神社の「由緒正しさ」見たら納得

朝ドラ『ばけばけ』第1週では、トキの「恋占い」が話題になりました。

さすが「由緒正しき縁結びの地」

『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)
『連続テレビ小説 ばけばけ Part1 NHKドラマ・ガイド』(NHK出版)

 1890年に来日し、『怪談』『知られぬ日本の面影』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、怪談を愛し彼を支え続けた妻の小泉セツさんの生涯をモデルにしたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の第5話では、18歳に成長した主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が婿養子をとることを決め、松江の八重垣神社の境内にある「鏡の池」で恋占いをしました。

 この恋占いはいまも人気で、松江市の公式HPでは「池に占い用紙を浮かべ、硬貨 (十円または百円) をそっと乗せます。早く沈めば (十五分以内) 縁が早く、遅く沈む (三十分以上) と縁が遅く、近くで沈むと身近な人、遠くで沈むと遠方の人とご縁があると伝えられています」と説明されています。

 劇中では、トキと一緒に占いをした機織り工場の同僚「チヨ(演:倉沢杏奈)」と「せん(演:安達木乃)」の紙が近場ですぐ沈んだのに対し、トキの紙は硬貨を乗せたまま池の反対側まで届き、週をまたいだ6話でようやく沈みます。その後、占いの結果通りにせんが近所の男性と結婚し、トキはかなり焦り出しました。

 彼女が後に「遠方の人」である外国人「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストゥ)」と結婚することを当てた、と話題になったこの占いの場面は、モデルのセツさんの実話をもとにしています。

 長谷川洋二さんの評伝『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)によれば、少女時代のセツさんが女友達と3人で鏡の池で恋占いをした際、ほかふたりの紙はすぐに沈んだのに対し、彼女の紙だけが池の端まで行ってから沈んだそうです。それから間もなく、女友達ふたりは近くに住む男性と結婚したといいます(ひとりはすぐ隣の家に嫁いだ)。

 その後、セツさんは1886年、18歳のときに前田為二さんという鳥取の士族の男性を稲垣家(養子として育った家)の婿養子に迎えて結婚しますが、為二さんは稲垣家の貧しさに耐え切れず出奔してしまいました。そしてセツさんは1890年に為二さんと離婚した後、異国から日本にやってきたラフカディオ・ハーンさんと1891年に夫婦となります。

 セツさんや友達の例を見ると、八重垣神社の恋占いはかなり当たるようです。

『ばけばけ』6話では松野家の父「司之介(演:岡部たかし)」や、母「フミ(演:池脇千鶴)」が占いなど気にしないようにとトキを励ましますが、祖父「勘右衛門(演:小日向文世)」は、『古事記』にある日本最古の和歌「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」が名前の由来である八重垣神社を「由緒正しき縁結びの地」だといい、「占いは当たるじゃろう」と言いました。

 上記の和歌は日本神話で有名な神「素盞嗚尊(スサノオノミコト)」が、怪物「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」を退治して救った「櫛稲田姫(クシナダヒメ)」と結婚した際に詠んだ、喜びの歌だと言われています。八重垣神社はふたりが夫婦生活を始めた場所ともされており、夫婦円満や縁結びのパワースポットとして有名です。話題の鏡の池は、クシナダヒメが自分の姿を映した場所だと言われています。

 勘右衛門の言葉通り、八重垣神社はかなり「由緒正しい」場所でした。『ばけばけ』放送を機に、恋占いをしに行く人がさらに増えそうです。

※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」

(マグミクス編集部)

【画像】え…っ「めっちゃオシャレな写真」「八雲さんそんな身長低かったの?」 コチラが『ばけばけ』モデルの主人公夫婦の2ショットです

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