「原作を超える主人公のウザさ(笑)」 秋ドラマ3作品が視聴者の心をつかむ理由
2025年秋ドラマでは、人気マンガが原作の実写化作品が多く放送されています。なかには、キャスティングや心がほっこりするストーリー展開に、クチコミサイトで賞賛の声が相次いでいる作品もあります。
「モラハラ主人公」への印象が変化、視聴者も「応援」側に?

2025年の秋ドラマは豊作ぞろいといわれ、ネット上でさまざまな感想が飛び交っています。なかには、共感を呼ぶ内容や心が癒されるような温かみのある作風が話題を呼び、初回放送からこれまでの間、クチコミサイトで高く評価されている人気マンガが原作の実写ドラマもあります。
キャスティングやストーリー展開が好評なのが、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(原作:谷口菜津子)です。同作は、いわゆる「亭主関白」思考の「海老原勝男(演:竹内涼真)」と、「恋人が最優先」だったヒロイン「山岸鮎美(演:夏帆)」の物語。勝男は、入念に準備したプロポーズを鮎美にあっさり断られたことをきっかけに、料理を通して自身の価値観を見直していきます。
放送前は主演ふたりに対して「原作のイメージと違う」と不安視するファンもいましたが、放送後は一転し、特に竹内さんについて、「勝男のウザさが原作を超えてきた」と、評価が高まっています。また、勝男の成長や鮎美との関係も注目を集めており、鮎美が新しい恋人と別れ、勝男が成長した今こそ、ふたりの関係が大きく動くのではないかと期待されています。
視聴者からは、「最初は嫌な印象だった勝男が、超一途だし自分を変えようと努力してて健気で応援したくなる。どの料理も美味しそうだし、キャラのギャップも展開も全部面白い」「料理を軸に人間関係を描く物語が上手すぎる。男女のすれ違いあるあるが、共感できて素晴らしい」との声があがっています。
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は、毎週火曜日22時からTBS系列で放送中です。
「生きづらさ」抱えた人たちとの掛け合いに絶賛の声

秋ドラマの「癒し枠」といわれ、クチコミサイトで高評価の『ひらやすみ』(原作:真造圭伍)は、「生田ヒロト(演:岡山天音)」が、近所のお婆さんから一戸建ての平屋を譲り受け、いとこの「小林なつみ(演:森七菜)」と暮らしはじめる物語です。彼の周りには、仕事熱心な「立花よもぎ(演:吉岡里帆)」をはじめ、生きづらさを抱えた人物が集まってきます。
大きな動きがある物語ではありませんが、何気ない日常をていねいに描いており、心がほっとすると評判です。また、ストーリーに起伏がない分キャラが際立ち、特にお気楽なフリーターのヒロトと思春期真っ只中のなつみの掛け合いには、思わず笑いがあふれてしまいます。
配役についても、ヒロト役の岡山さんと、なつみ役の森さんがハマり役といわれ、「岡山さんの雰囲気がドラマのゆるい感じに合っていて、穏やかな気持ちで観られる」「かわいい森七菜さんが、こじらせてて面倒くさいなつみを演じられるのかなって思っていたけど、どんくさい歩き方まで再現していて引き出しが多いと再認識した」と、ふたりへの絶賛の声が絶えません。
『ひらやすみ』は、毎週月曜日から木曜日の22時45分からNHK総合で放送されています。
子育ての「共感」集めまくり、「食事」で家族の思い出が積み重なる

ドラマ『パパと親父のウチご飯』(原作:豊田悠)は、不器用なふたりのシングルファーザーが共同生活をしながら子育てに奮闘するストーリーです。シングルファーザーの「千石哲」役は松島聡さん、もうひとりのシングルファーザーの「晴海昌弘」役は白洲迅さんが演じています。
放送前から白洲さんの温かくて優しい雰囲気が「穏和な晴海に合っている」と声があがっていた一方、末っ子キャラで穏やかなイメージのある松島さんはヤンキー系の千石に合っていないのではと心配する人もいました。しかし、放送されると自然な演技で千石を再現しており、「こんなに演技力が高かったのか」と驚いた人も多かったようです。
ストーリーも視聴者から「育児の核心をつく言葉がけや考えが散りばめられていて、子育てに悩む人や育児中の人、シンパパやシンママから共感を生む内容になっている」「食事がただの食事ではなく、家族の思い出として積み重なっていく様子がていねいに描かれていて、観ているこちらの心もじんわり温まる」と高く評価されています。
『パパと親父のウチご飯』は、毎週土曜日23時からテレビ朝日「オシドラサタデー枠」で放送中です。
(LUIS FIELD)
