秋アニメ中盤戦、「違和感」から「面白い」へ評価が変わった3作品 どんどん良くなる演出に夢中?
いよいよ2025年秋アニメも中盤から終盤へと差しかかり、各作品の物語が大きく動き始めています。視聴が進むなかで、序盤では不満の声があがっていた作品でも、展開や演出の変化によって評価を持ち直すケースが目立ち始めています。
「違和感」の声があったCG作画が洗練されて……?

早くも2025年秋アニメが中盤から終盤に差し掛かっています。なかには、序盤で視聴者から「違和感」などの声があがったものの、物語が進むにつれて「良くなってきた」と評価され、終盤に向けて盛り上がってきている作品もあります。
ストリートダンスを題材にしたアニメ『ワンダンス』(作:珈琲)は、序盤のCGダンスシーンについて、「手描き作画の部分と質感が違いすぎて違和感がある」など、演出や技法についてさまざまな意見が出されました。特に意見が集中したのは第1話終盤で、吃音を抱え人前で話すことが苦手な主人公「小谷花木(CV:内山昂輝)」(通称:カボ)が、「湾田光莉(CV:羊宮妃那)」のダンスを目撃するシーンです。カボが湾田に惹かれ、言葉を必要としない表現である「ダンスの世界」へ飛び込んでいく物語の象徴ともいうべき、重要なシーンでした。
しかし、物語中盤に差し掛かった第5話での、カボと先輩「厳島伊折(CV:増田俊樹)」のダンスバトルでは、ダイナミックな構図や動きの工夫によって「違和感」が解決され、演出面の進化を感じさせました。
最近では「1話の不安が杞憂になるほど、ダンスシーンのクオリティーが上がっている」といった評価も多く、作品への評価が変わってきた視聴者も少なくないようです。
『ワンダンス』は、毎週水曜日23時45分よりテレビ朝日系全国ネット「IMAnimation W」枠ほかにて放送中です。
斬新な演出に「テンポの良さ」を感じてきて…?

また、『ポーション、わが身を助ける』(原作:岩船晶)も、序盤は演出面で評価が分かれていた作品です。同作は、ある日異世界で目覚めた主人公「カエデ(CV:本渡楓)」が、ポーションを生成できる不思議な本を手に、日本へ戻ろうと奮闘する物語です。
この作品は、マンガの静止画を用いて制作期間とコストを抑える「ライトアニメ」という独自手法が取られているため、通常のアニメと比べると動きが少なく、第1話では「キャラの動きに違和感がある」と戸惑った視聴者もいました。
しかし、カエデが王都に引っ越し、住む家を探す第7話では場面転換も増えてきました。最近では「演出のテンポが良くなってきて見やすい」「マンガのひとつのジャンルとして楽しむといい感じ」など肯定的な声が増えており、序盤から作品の印象が大きく変わってきたようです。
『ポーション、わが身を助ける』は、毎週木曜日25時よりTOKYO MXにて放送中です。
奥行きを増す「世界観」に、引き込まれる人多数?

人狼ゲームをもとにしたPCゲームが原作のSF作品『グノーシア』も、視聴者の受け止め方が序盤から変化してきました。同作は、漂流する宇宙船を舞台に、主人公「ユーリ(CV:安済知佳)」が乗組員に擬態して紛れ込む「グノーシア」と心理戦を繰り広げる物語です。
作中ではグノーシアを排除するため、毎日ひとりずつコールドスリープに送る投票が行われます。投票後、船内にグノーシアが残っていれば赤色のランプが点灯しゲーム続行、全員排除できれば緑色が点灯して人間側の勝利です。
序盤では「人狼ゲームをそのままアニメにしたような世界観に違和感がある」「ランプの点灯演出はアニメだと無理があるのでは」といった指摘もありました。しかし、物語が進むにつれて(閉鎖空間でありながら)登場人物が増えていき、さらに新しいルールや状況が明かされるなど、世界観そのものに奥行きが加わっていきます。
どちらの勝利で終わるのかハラハラする展開もあり、「推理の駆け引きが深まって一気に面白くなってきた」と評価する視聴者も増えつつあります。
『グノーシア』は、毎週土曜日24時よりTOKYO MXほかにて放送中です。
(LUIS FIELD)



