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『鬼滅の刃』と『進撃の巨人』のつながり ジャンプ編集部の“恐れ“が良い結果に?

2013年から放送が開始され、大ブームを巻き起こしたTVアニメ『進撃の巨人』The Final Seasonの放送が2020年12月6日より開始されています。今でこそ極めて有名な作品ではありますが、実は連載前から密かに注目されていた作品でもありました。また、『進撃の巨人』の存在が、『鬼滅の刃』を生み出した可能性も。

連載開始前の『進撃の巨人』

著:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第23巻(集英社)
著:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第23巻(集英社)

 2009年の夏、筆者はあるテープ起こしの案件を請け負っていました。 テープ起こしとはインタビューや会議などの音声を文字にする作業のことで、ライター仕事としてはごく一般的なものです。守秘義務がありますので当然その具体的な内容を明かすことはできませんが、そのとき請けた、ある有名な漫画家同士の対談のなかに、「壁の中で巨人に怯えながら暮らすマンガが面白い」という話が紛れていたのです。

 その作品の名前は語られてはいませんでしたが、妙に気になった筆者は約1か月後、書店で月刊誌「別冊少年マガジン」(以下、別マガ)を手に取り、間違いなく話に出てきた作品である『進撃の巨人』を目の当たりにすることになりました。閉塞した平穏な日常が破られ、破壊と殺戮が吹き荒れる第1話を読み背筋をぞくぞくと震わせたあの日から11年。圧倒的な熱量で今なお紡がれる物語に、今なお魅了され続けています。

「別マガ」創刊号に掲載された15作品のなかで、今なお連載中なのは、『進撃の巨人』しかありません。なぜ、編集部は『進撃の巨人』を見い出し、大ヒットへとつなげることができたのか。これは、「別マガ」自体が「週刊少年マガジン」では扱いにくい、ダークファンタジー系作品を受け入れるために創刊されたことが大きく影響しています。週刊少年誌では、「巨人が人を食う」話を描くことはおそらく難しく、もし「別マガ」がなければ『進撃の巨人』はよりマイナーな雑誌でひっそりと連載され、それほど注目を浴びることなく終了していたかもしれません。

 Webでの連載という手段をとるにせよ、2009年の時点では有力な媒体はまだ電子コミックにそれほど注目しておらず、SNSを使用した宣伝手法なども、現在と比較するとまだ洗練されてはいませんでした。当時、『進撃の巨人』を世に出すためには、「別マガ」はなくてはならぬ存在だったのです。諫山創先生が持ち込みを行っていた時、講談社が「別マガ」の準備をしていた。これが天の配剤というものなのでしょう。

【画像】「ジャンプ」の陰惨描写もあるダークファンタジー作品

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