『ヒロアカ』憎めない敵(ヴィラン)4選 時代や境遇が違えばヒーローだった?
主人公・デクが戦ってきたなかで最も“憎めないヴィラン”とは?

●ジェントル・クリミナル
「文化祭編」で初めて登場する、自称「現代の義賊」ことジェントル・クリミナル(CV:山寺宏一)。歴史に名を残すために犯罪行為を動画サイトにアップしているという、これまでのヴィランとは異なるコミカルなキャラクターです。
個性は「弾性」。触れた物質にゴムやトランポリンのような弾性を与えて弾ませる能力で、無機物のみならず空気にも付与させて空中を足場にすることもできます。
そんなジェントルは、デクがこれまで戦ってきたヴィランのなかで、最も憎めないヴィランと言っても過言ではありません。というのも、ジェントルはもともとヒーロー志望。デクたちと同じようにヒーローを志していましたが、ヒーローの仮免試験に4回連続で落ちるなど、才能が全くありませんでした。
20代になってもプロヒーローになれず就職できなかったある日、街中でビルの屋上から自殺を図ろうとする人に遭遇。ビルから飛び降りた瞬間、個性「弾性」を使用して助けようとしますが、結果的に同じタイミングで自殺者を助けようとしたプロヒーローの邪魔をすることになってしまい、事実上の公務執行妨害に。その結果、近所から家族へ嫌がらせをされるようになるなど、悲惨な事態になりました。
「歴史に名を残す偉大な人物になる」という目的をプロヒーローとして叶えられないのならば「ヴィランでいいから叶えたい」という考えを持つようになり、投稿動画界のヴィラン『ジェントル・クリミナル』が誕生しました。
数々のヒーローたちを輩出してきた名門・雄英高校の文化祭に侵入しようとして、デクとの戦闘に敗れた際には「これまで戦ってきた誰より戦いづらかったよ」とデクに言わしめる“憎めないヴィラン”でした。
●ラブラバ
そして、ジェントル・クリミナルに続いてもうひとり“憎めないヴィラン”として紹介したいのが、ジェントルに心酔し、行動を共にするラブラバ(CV:堀江由衣)です。
ジェントルの動画作成に協力する少女のような見た目の女の子。自称・ハッキングのプロで、数々の犯罪行為をインターネットにアップしてきましたが、見事に警察から逃げきっています。
ラブラバが中学生の頃、好きな男の子にラブレターを送った結果、ストーカーみたいだと言われ、ショックで自宅に引きこもるように。自殺すらも考えるようになったその時、ジェントルの投稿動画を見て、元気を取り戻します。動画作成のお手伝いをしたいと、ジェントルの家を訪れてパートナーになることを直談判。ジェントルも最初は、犯罪の片棒を背負わせることに負い目を感じて断っていましたが、ラブラバに押しに押されてタッグを組むことになりました。
そのラブラバの個性は「愛」。自身が愛したただひとりに、愛を告げることで短時間対象を強化する能力です。デクとの戦いの最中、愛を告げたジェントルがパワーアップするなど、活躍を見せました。
最後は、デクに敗れたことで警察に捕まりましたが、ジェントル同様、終始憎むことができないヴィランでした。
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以上、“憎めないヴィラン”を4人紹介しました。時代や育った環境、授かった個性が違えば、ヴィランではなくヒーローだったかもしれません。新編で、ヴィランたちが大活躍するエピソードが描かれるのか楽しみですね。皆さんの好きなヴィランは誰ですか?
(中島憲太郎)