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『ドラクエ』が長寿シリーズになれた理由とは? ヒット作を分析し取り込む37年の歩み

1985年に第1作目がリリースされて以来、37年にわたり愛され続けている「ドラゴンクエスト」シリーズ。その秘訣は、先行ヒット作を素直に見習うフットワークの軽さと、テキストやサウンド、ビジュアルに見られる『ドラクエ』らしさを組み合わせることにありました。シリーズ関連作品の歴史を、偉大な先行作品とともに振り返ります。

ナンバリング作品だけでなく、『トルネコ』など関連作品も…

スマートフォンでリメイク版が配信中の初代『ドラゴンクエスト』 (C) 1986, 2013 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
スマートフォンでリメイク版が配信中の初代『ドラゴンクエスト』 (C) 1986, 2013 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

 1986年5月にファミコンで発売されて以来、ずっと親しまれ続けている国民的RPG『ドラゴンクエスト』。数多くの関連作品も含めたヒットの秘訣は、その時々における人気作品を分析し、それを『ドラクエ』風に翻案することにありました。その一端を振り返ってみましょう。

 まずは記念すべきファミコンの第1作目から。ファンには有名な話かもしれませんが、初代『ドラゴンクエスト』の骨子は海外のRPG『ウルティマ』のフィールドと『ウィザードリィ』の戦闘を巧みに組み合わせたことで生まれています。もちろんそれだけではなく、堀井雄二さんによる人間味のあるキャラクターたちのセリフや、故・すぎやまこういちさんによる音楽の素晴らしさもそれを大きく支えたのは言うまでもありません。

 時代は下り1993年。スーパーファミコンで『ドラクエIV』の人気キャラのひとりである武器屋トルネコを主人公とした『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が発売されました。入るたびに構造がガラリと変わるダンジョンに、そのなかで拾える限りあるリソース(アイテムや装備)をフル活用して挑む…その「1000回遊べる」RPGのモデルとなったのは、1980年に制作された同じく海外製のゲーム『ローグ』。そのシステムは今日も色あせることなく、「ローグライク(ゲーム)」というひとつのジャンルになっています。

 1998年にはゲームボーイで、『ドラクエVI』に登場したテリーの幼少期の冒険を描く育成RPG『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』がリリース。モンスターの育成は『ドラクエV』でも行えましたが、本作の2年と半年前には同じくゲームボーイで任天堂から『ポケットモンスター』が発売されており、『ポケモン』のフォロワーと考えることができそうです。

 鳥山明さんのデザインによる『ドラクエ』の愛嬌あるモンスターたちを育てられる点や、1対1のバトルではなくモンスター3体でパーティーを組めるなど、独自性も多く見られました。

【画像】意外なジャンルのゲームも? 『ドラクエ』関連作品たち(6枚)

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