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続編が「賛否両論」だった人気アニメ 感動のラストがなかったことに?

望んだ続編がゲームになることも?

『勇者王ガオガイガーFINAL』画像はDVD Vol.3(ビクターエンタテインメント)
『勇者王ガオガイガーFINAL』画像はDVD Vol.3(ビクターエンタテインメント)

 続いては『機動戦艦ナデシコ』(1996年10月1日~1997年3月25日)です。当時はアニメ雑誌でも多く取り上げられ、一般層にも話題になった作品でした。その続編として公開されたのが劇場版『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』(1998年8月8日)です。

 TV版では難解なSF要素や重厚なドラマをギャグ風味で包み、ラブコメ要素を中心にしたバランスの良い作品でした。そこから見ると、劇場版はかなりシリアス寄りで、プロデューサーからTV版にはないシビアな内容を求められていたそうです。

 その結果、TV版で主役だったテンカワ・アキトとミスマル・ユリカは脇に回り、人気の高かったホシノ・ルリが劇場版では主役になりました。さらに劇場版は、このアキトとユリカの墓前からという衝撃的な展開から始まります。

 最終的にはアキトもユリカも生きていましたが、ハッピーエンドとは言いがたい最後を迎えました。その結果は、やはり明るいTV版を支持していた層には受け入れがたいものだったと思います。

 ちなみにゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズでの扱いに、ファン心理が出ているかもしれません。なぜなら『スパロボ』で本作が参戦している場合、劇場版ラストが明るい未来を示すような方向に修正されていることが多いからです。原作で不幸なラストを迎えた作品が改変されることの多い『スパロボ』のスタンスを考えると、ファンの多くはハッピーエンドを望んでいたのでしょう。

 最後は今でも高い人気を誇る『勇者王ガオガイガー』(1997年2月1日~1998年1月31日)。続編はOVA作品の『勇者王ガオガイガーFINAL』(2000年1月21日~2003年3月21日)です。

 しかし、前述した2作品ほど辛らつな評価は得ていません。ラストシーンで地球に帰還できないという絶望的な状況になっていますが、ファン的には「彼らなら奇跡の力で帰ってくる」という安心感があるからでしょう。それだけ作品内でも絶望的状況を何度もひっくり返している実績があるわけです。

 実はこのラストには事情がありました。本来なら帰還後の戦いまで描く予定だったものが、内容の濃さに途中までとなったそうです。当然、その後も描かれる予定でしたが、続編の企画は成立しませんでした。この幻の続編を再スタートしたのが、小説『覇界王~ガオガイガー対ベターマン~』だそうです。

 最近ではマンガ版も発表され、ゲーム『スパロボ』の参戦で声と絵も見られるようになりました。何でも作中の設定年に現実が追いついてしまったことからアニメ化を断念したそうですが、ファンとしてはアニメで最後まで見たい作品ではないでしょうか?

 以上が筆者的に続編のラストが心に引っかかったアニメ作品です。『ガオガイガー』に関してはいまだにさらなる続編を期待しているのですが、皆さんはどう思われますか?

(加々美利治)

【画像】2022年に続編・再アニメ化放送予定の作品(5枚)

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