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苦肉の「アニオリ」が好評だった『聖闘士星矢』 オモチャになった人気キャラも?

かつて大ブームを巻き起こした『聖闘士星矢』。の中心となったアニメシリーズでは、原作と大きく違う「アニオリ」が多かったことで知られています。どうして『聖闘士星矢』は、オリジナル要素が多かったのでしょうか?

『聖闘士星矢』でアニオリが早々に挿入されたワケ

 「聖闘士星矢 DVD-BOX 1 ペガサスBOX」(バンダイビジュアル)
「聖闘士星矢 DVD-BOX 1 ペガサスBOX」(バンダイビジュアル)

 マンガ原作だけでなく、アニメ作品としても大ヒットだった『聖闘士星矢』は、時には原作にも優るとも劣らないアニメオリジナル展開、いわゆる「アニオリ」が好評でした。

 近年のマンガ原作のアニメ作品では、原作ストーリーを忠実に再現することが一般的です。しかし、『聖闘士星矢』がアニメ放送された時代はまだ原作は原作、アニメはアニメという考え方が主流であり、メインストーリー部分でも違う点が多々ありました。

 特に『聖闘士星矢』ではアニメ化が連載開始から早期に決まったことで、原作ストックが少なかったことも要因です。なにしろコミックス1巻がまだ販売されていない時点でのTVアニメ化決定という、異例の早さでした。

 こうなるとアニメにする際、原作をどうふくらませるかがカギとなります。主人公の星矢がヨットハウスで生活していたり、孤児院の子供たちに原作以上の出番があったりと、アニメでは戦闘面以外でのシーンで物語の尺を補っていました。

 それでも原作の「銀河戦争編」「暗黒聖闘士編」には4か月ほどで追いついてしまいます。この時の原作は、すぐ次のシリーズである「白銀聖闘士編」がようやく終盤を迎えた頃でした。制作時間の誤差を考えれば、ストックは尽きたに等しい状態です。

 そこで差し込まれたのが、アニオリのキャラクターとストーリーだったというわけです。もっとも原作のストックがないことは当初から分かっていたので、最初からここでアニオリを挟んで、原作ストックを回復させるという方針は決まっていたのでしょう。

 ここでのアニオリには、ファンの間でも賛否両論ありました。そのどちらの意見も、間違っていないと思います。しかし一点だけ言えるとすれば、ここのアニオリがなければ『聖闘士星矢』の大ヒットはなかったという事実でしょう。なぜならば、ここでアニオリを挟まなければ、アニメの物語は強引に半年で終わらせなければならなかったからです。

『聖闘士星矢』が半年で終わらなかった最大の理由、それはオモチャの売れ行きが好調だったからでした。この時期に販売されたメインの青銅聖闘士5人の「聖闘士聖衣大系」は後の大ヒットほどではないにしろ、新番組のオモチャとしては一定以上の販売実績があったのです。

 何せ色違いで販売した暗黒聖闘士5人の「聖闘士聖衣大系」も、あっという間に売り切れてしまいました。この商品は限定版だったことで再販もなく、ファンには当時から幻の商品として記憶されています。

 そう考えると、『聖闘士星矢』という作品は、連載すぐにTVアニメ化するという無謀とも思える速さで制作されましたが、時代とのマッチングで考えると絶妙なタイミングだったのかもしれません。そして差し込まれたアニオリは、中継ぎとしてこの窮地を支えたわけです。

 そんなアニオリを盛り上げたアニオリキャラクターたちを、振り返ってみましょう。

【画像】え…っ?フィギュアになるくらい人気? これがアニオリの「神闘士」や「鋼鉄聖闘士」です(6枚)

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