名将? 鬼畜? 連邦軍トップ レビル将軍の「あたおか」命令にアムロもため息!?
『機動戦士ガンダム』の「レビル将軍」といえば、一年戦争において連邦を勝利へ導いた名将、というのがいわゆる世間一般的な評価でしょう。しかしホワイドベース隊にとってはガチでやべぇヤツとしか思えなかったに違いありません。
ホワイトベースもビクビク!?
『機動戦士ガンダム』に登場する地球連邦軍の最高司令官「レビル将軍」といえば、名将として知られています。しかし、酷使されたホワイトベース隊にとっては「ちょっと頭おかしい人」だったことでしょう。レビル将軍の、鬼畜の所業を振り返ります。
物語序盤、宇宙コロニー「サイド7」で、主人公「アムロ・レイ」ら民間人を乗せた連邦軍の強襲揚陸艦「ホワイトベース(以下、WB)」は、地球の連邦軍本部「ジャブロー」へ向け降下しますが、ジオン軍の勢力圏内に降りてしまいました。最新兵器「ガンダム」を有しているとはいえ、乗組員にプロの軍人は少なく、それでもWBはジオンの攻撃を受けながらも厳しい航路を進みます。
救援もないなか、WBにやっとレビル将軍ら参謀本部から連絡が入ります。しかしそれは援助の伝令ではなく「敵の戦線を突破しろ」と無茶なザックリ命令でした。素人ばかりの寄せ集め部隊にこの命令です。これにアムロは「連邦軍は僕たちをおとりにしている」と嘆きました。
その後、やっとの思いでWBは「マチルダ」さん率いる補給部隊からの補給を受けます。彼女は補給物資のみならず参謀本部からWBへの命令も携えており、その内容は「WBやモビルスーツについては何も決定されていないので現状のまま」で戦闘続行し、その戦闘記録をレビル将軍に送るという、残酷な通達でした。
しかも「多くの民間人が戦闘に参加していること」についてレビル将軍は「WBが現状の戦闘を続けられるのなら正規軍と同じ」という、トンデモ理論をぶちかまします。自身の部下でもない民間人相手に、実に鬼畜な采配です。
ただ、参謀本部はWB隊を重要視していない様子で、そうしたなかでレビル将軍は目をかけていて、補給も将軍の独断だったようです。
このようにレビル将軍から大きな期待を受けたWBは、単独で戦闘をこなしながら再びマチルダの補給を受けます。ここでも彼女は「WBはデータ収集が第一の任務」と、レビル将軍や参謀本部の方針を伝えます。
「わざと我々を放っておいてモルモットにしている?」と語気を強めるブライトに対しマチルダは、レビル将軍の命により、それまで「士官候補生」だったブライトが「少尉」に任官したことを伝え、これを黙らせます。さすがにうれしそうな表情を見せるブライト……人間とは現金なものであります。
ところが、マチルダは次のひと言で彼を地獄に落とします。
「レビル将軍がいなければ、あなたはとっくに死刑ですよ」
これは、WBやガンダムを勝手に運用したことが軍規違反で、しかもそれは死刑に値するという意味であり、加えて活躍に免じレビル将軍が首をつないでいるという念押し発言です。「アメとムチ」のアメの甘さに対し、ムチの威力が強すぎます。