『ウルトラセブン』敵を切り刻む惨殺技「アイスラッガー」にコンプラ規制? 「やっぱり流血が欲しい…」
派手な切断描写が魅力のウルトラセブンの必殺技「アイスラッガー」。以降のウルトラ戦士でも切断技がウリのひとつになっていきますが、これが時代を経るとコンプライアンスの壁が立ちはだかることに?
「切断技」の栄光と衰退
TVの子供番組で敵を切り刻む――。1967年に放送開始された『ウルトラセブン』は、物理的な切断描写による必殺技「アイスラッガー」で、視聴者に強烈なインパクトを与えました。
しかし、この革新的な必殺技は、時代とともに徐々にその姿を変えてきており、現在ではコンプライアンスの影響とも考えられるような描写が主流となっていることをご存じでしょうか。
●多彩な切断バリエーションが魅力のアイスラッガー
まずは「アイスラッガー」の歴史をたどりましょう。第1話でクール星人の頭部を切断したのを皮切りに、エレキング、メトロン星人など多くの敵を倒してきました。最終回怪獣の改造パンドンももちろんアイスラッガーで倒されました。
いずれも頭部から投げた後は光学処理で表現されており、スピーディに切断するさまも含めて、実にカタルシスあふれる場面に仕上がっています。途中からはガイロスやパンドンとの戦いのように、逆手持ちして直接切断するパターンも披露しており、これは勝新太郎演じる座頭市をヒントにしたといわれています。
●第二期ウルトラシリーズでどんどん派手な切断技に
こうした切断技自体は、初代ウルトラマンの「八つ裂き光輪」で既に描写されていたものの、セブンのアイスラッガーのカタルシスは別格で、スタッフもこれで確かな手応えを得たからか、第二期ウルトラシリーズでは、さらに派手な演出へと進化していきました。
なかでもウルトラマンエースは「バーチカルギロチン」などの切断技を多用し、たとえば頭から左右に真っぷたつにされたメトロン星人Jr.は両サイドの切断面から、けばけばしい原色の内部組織がこぼれ落ちる描写も加わり、残酷とも受け取られない演出がなされていました。