TV各局がいま重視する「23時台アニメ」 ヒットに必要な「3つの要素」がここで結びつく?
近年、民放のTV局が「23時台」のアニメ放送に力を入れています。TV局にとって23時台は「プラチナゾーン」と呼ばれる重要な時間帯であり、それだけアニメが重要なコンテンツとして扱われるようになったことを意味しています。この流れは定着するのでしょうか?
各局が「23時台」に注目作を投入
近年、民放のTV局が23時台のアニメ放送に力を入れています。TV局にとって23時台は「プラチナゾーン」と呼ばれる重要な時間帯であり、それだけアニメが重要なコンテンツとして扱われるようになったことを意味しています。この流れは定着するのでしょうか?
2024年末、フジテレビ系列で放送中のTVアニメ『ONE PIECE』(ワンピース)の放送時間が2025年4月以降は日曜夜の23時15分に変更されると発表され、SNSで大きな話題となりました。長く「ニチアサ」の顔として君臨してきた『ONE PIECE』の放送時間変更は18年ぶりであり、それだけアニメの深夜放送がTV局にとって重要視されていることがわかります。
深夜アニメに力を入れているのはフジテレビだけではありません。テレビ朝日は2024年10月から土曜の23時半に「IMAnimation」枠を新設し、『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』を放送。同枠では2025年4月から期待作の『片田舎のおっさん、剣聖になる』の放送が予定されています。
テレビ朝日は水曜の23時45分に「IMAnimation W」枠を設け、4月からは電撃小説大賞で「大賞」を受賞した『ユア・フォルマ』を原作としたアニメを、7月からは『地獄先生ぬ~べ~』を放送予定です。アニメへの力の入れようがうかがえます。
なぜ、TV局はこれほどにアニメを重要視しているのでしょうか。ひとつには日本テレビによる『葬送のフリーレン』の成功があるでしょう。日本テレビは2023年秋に『葬送のフリーレン』の第1話をスペシャル版として金曜ロードショー枠で放送、その後は金曜の23時に設けた「FRIDAY ANIME NIGHT」枠で放送し、「金曜ロードショーの後にアニメを見る」形を作り出しました。