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「1985年の東映特撮」が超ヤバいお話 40年前のすげぇ番組ラインナップにきっと驚愕

「東映特撮」といえば、長い歴史を誇るひとつのブランドといえるでしょう。なかでも40年前の1985年、この年の東映特撮は、ちょっとおかしいほどに充実したラインナップでした。アラフィフ以上の皆さんなら、きっとひとつくらいは覚えているはずです。

当たり年1985年の東映特撮ラインナップは…?

1985年2月2日放送開始の「スーパー戦隊」シリーズ第9作。「電撃戦隊チェンジマン DVD COLLECTION VOL.1」(東映ビデオ)
1985年2月2日放送開始の「スーパー戦隊」シリーズ第9作。「電撃戦隊チェンジマン DVD COLLECTION VOL.1」(東映ビデオ)

 過去のできごとを整理して振り返ると意外なことがわかるものです。今から40年前の1985年、この年の「躍進」が、今日の東映TV特撮番組を支えた要因かもしれません。

 1985年スタートの東映TV特撮番組、その一番手は、1月10日から放送開始した『兄弟拳バイクロッサー』でした。前年に放送された『星雲仮面マシンマン』の流れを引き継いだ作品です。

 子供の泣き声を聞かせるとダイヤモンドを吐き出す力を持つ「魔神ゴーラの像」、それを手に入れた犯罪組織「デスター」の首領「ドクターQ」は、組織を使って子供を泣かせるという行為におよびました。

 これを阻止するのが海蛇座第III銀河星団の守護神「ペガサス」に選ばれた兄弟戦士「バイクロッサー」こと、兄の「バイクロッサー・ケン」と、弟の「バイクロッサー・ギン」です。その必殺技がギンの乗ったバイク「ギンクロン」をケンが肩に担いた状態で発射する「ブレーザーカノン」でした。

 コメディタッチなドラマ展開ながらも、アクション要素が強い低年齢層に向けた作品です。もっとも裏番組が当時の大人気帯番組「夕やけニャンニャン」だったことから、平均視聴率は4.9%と苦戦していました。

 この翌月である2月2日から放送開始した作品が、「スーパー戦隊」シリーズの『電撃戦隊チェンジマン』です。前作『超電子バイオマン』が、「毎回の主役5人の名乗り」や「怪人の巨大化」などといった従来のパターンを脱したのに対して、本作では従来の路線に回帰していました。

 もっとも、それまで避けていたミリタリー色の濃い軍事組織「地球守備隊」をスーパー戦隊の母体組織とし、本格的な宇宙からの侵略者「大星団ゴズマ」を敵組織に置くといった、従来の要素の強化版ともいうべき点があります。

 怪人の巨大化も、これまでのように怪人単体の能力や、そっくりの巨大ロボといったパターンではなく、原始生物「ギョダーイ」が発射する光線と設定されていました。この「巨大化光線」という設定は本作で初めて導入されたもので、以降のシリーズでも使われることとなります。

 これ以降のシリーズでも使われるパターンとして本作が初の試みとなったのが、終盤に敵レギュラーが戦隊側の協力者へとなることです。それまでも心を入れ替えた敵はいましたが、だいたいは裏切り者としてすぐに処刑されるのが通例でした。そのパターンを壊した、敵からの脱走者が味方になるという展開は、終盤のドラマを盛り上げます。

 ちなみに全55話という放送回数は、『秘密戦隊ゴレンジャー』(全84話)に次ぐ戦隊史上第2位となる記録です。これは特に人気が高かったというわけではなく、次回作『超新星フラッシュマン』が3月開始となったことから延長されたからでした。

 もっとも、この延長によって物語終盤のドラマを丹念に描く余裕ができたのは間違いありません。そういった意味では、スーパー戦隊シリーズの分岐点のひとつになった作品ではないでしょうか。

【画像】えっ…なにこの黄金ラインナップ! こちら1985年放送開始の東映特撮番組+αです(6枚)

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