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ウルトラマンとウルトラセブンの違いは何? 「最適解」を探る4つの視点

特撮ヒーロー番組『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』最も端的に両者の違いを言い表すなら? 「●●●なのがウルトラマン、◯◯◯なのがウルトラセブン」の形にあてはめて、4つの視点で最適解を探りました。

「怪獣」と「宇宙人」 「銀色」と「赤色」 一番わかりやすいのは?

 「ウルトラ特撮 PERFECT MOOK vol.01 ウルトラセブン」(講談社)
「ウルトラ特撮 PERFECT MOOK vol.01 ウルトラセブン」(講談社)

『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』は、言うまでもなく、現在の「ウルトラ」シリーズに直結する特撮ヒーロー番組の金字塔です。両番組とも、宇宙からやってきたヒーローが、平和を脅かす敵と戦う……という大枠は同じです。

 今でこそ『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』は同一シリーズとして扱われますが、開始当初は別企画としてスタートしています。したがって、世界観やキャラクター設定は、大きく異なっているのです。その点を混同してしまうと、場合によっては「ケンカ」に発展しうるかもしれませんね。ということで、両者の決定的な違いは何なのか? 子供に訊かれた場合を想定し、「最適解」を探っていくことにしましょう。

「銀色なのがウルトラマン 赤色なのがウルトラセブン」

 この違いは確かに単純明快です。銀色ベースなのが「ウルトラマン」で、赤色ベースが「ウルトラセブン」であることは疑いようのない事実です。のちにこの両者のカラーが「シルバー族」「レッド族」という、ウルトラ戦士の区分につながります。とはいえ「外見」が違うのは最初から、一目瞭然です。「番組」としての両者の違いを説明するには、やや不十分かもしれません。

「子供向けなのがウルトラマン 少し大人向けなのがウルトラセブン」

 このような説明は、割と目にするものです。実際、ホシノ少年をはじめ、子供たちも大活躍する『ウルトラマン』に対し、『ウルトラセブン』は、より上の年齢層を意識したSFドラマとして企画されました。侵略者たちとの戦いを通じての葛藤、ダンとアンヌ隊員の恋愛模様など、ドラマ性の高い内容となっています。とはいえ、『ウルトラマン』もまた重厚なテーマを扱った回が多いので、個人的には「保留」とさせてください。

『ウルトラマン』キービジュアル (C)円谷プロ
『ウルトラマン』キービジュアル (C)円谷プロ

「怪獣と戦うのがウルトラマン 宇宙人と戦うのがウルトラセブン」

 この説明の仕方も割と目にしますが、両者の違いをほどよく言い表している気がしてなりません。

『ウルトラマン』のバルタン星人、『ウルトラセブン』のエレキングと、例外はもちろんあるのですが、基本的にはこの構図が成立します。何より、前述の「子供向けなのがウルトラマン 少し大人向けなのがウルトラセブン」の理由が、この説明に含まれているではありませんか。ウルトラマンに登場する怪獣は、わかりやすい「暴れん坊」であるのに対し、ウルトラセブンと対峙する宇宙人たちは、それぞれ「侵略者」「難民」「逃亡犯」と、固有の背景や意思を持っています。だからこそ、葛藤が生じるのです。

「地球人と合体するのがウルトラマン 地球人に扮するのがウルトラセブン」

 これも、きわめて重要な違いです。『ウルトラマン』のハヤタ隊員は地球人であり、ウルトラマンとは一心同体の関係です。普段、両者の魂は混ざり合っている、ちょっと不思議な状態です。一方で『ウルトラセブン』におけるモロボシ・ダンはあくまでも「ウルセブン」の仮の姿です。この設定こそ『ウルトラセブン』全体に漂う孤独感の根っこかもしれません。彼は戦闘時、セブンに変身するのでなく、セブンの姿に戻るのです。

 ここまで『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』の違いを、端的に説明する最適解を探ってきました。筆者の私見では、「怪獣と戦うのがウルトラマン 宇宙人と戦うのがウルトラセブン」という説明が、両番組の性質も含めてしっくりくる気がしております。とはいえ、子供たちに「(ウルトラマンには)バルタン星人がいるじゃん」なんて言われてしまう可能性も多いにあります。そうなってくると、「銀色なのがウルトラマン 赤色なのがウルトラセブン」なんて無難な選択をしてしまいそうです。みなさんは、どのように説明されるでしょうか?

(片野)

【画像】どっちが好き? これが「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」が使う技の違いです(5枚)

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