沼にハマる準備はOK? 2025夏は“異色作”ばかり 隠れた名作候補3選
2025年夏アニメは、これまでで最もアニメの放送本数が多いです。今期、皆さんはどんな形で魅力的な作品と出会いましたか? この記事では、数あるアニメ作品のなかでも、特に制作陣のこだわりが詰まった「ひと味違う面白さにハマるアニメ」を3作品あげてみます。
ヌルヌル作画、ダイナミックなカメラワーク、耳に残る会話

アニメとの出会いはさまざまです。2025年の夏アニメも、シリアスからコメディ、SFから日常まで多くの作品が放送され私たちを楽しませてくれています。そんな数々の作品から、一度見ればひと味違う魅力にすぐハマってしまう作品を3つピックアップしました。
●待望の続編で描写に驚く『その着せ替え人形(ビスクドール)は恋をする』
2022年に第1期が放送された『その着せ替え人形は恋をする』(以降:着せ恋)は、ギャルでオタクの「喜多川海夢」と雛人形の頭師を目指す「五条新菜」がコスプレを通じて交流する物語です。行動力の化身のような海夢に振り回されながら、コスプレ衣装の制作という新しい世界を楽しむ新菜のかけ合いは、コメディフルで甘酸っぱくて観ているこちらがニヤニヤしたくなります。お互いを尊重し合う人間性の魅力も、多くのファンがいる理由のひとつではないでしょうか。
『着せ恋』第1期は、海夢や新菜の動きひとつひとつが自然な「ヌルヌル動く作画」に目を奪われました。制服や私服、コスプレ姿など、さまざまな衣装に身を包む海夢がキャピキャピ動く姿に、魅了された人は多いはずです。また、「背景描写の美しさ」にも制作陣の強いこだわりを感じさせました。
アニメ第2期でも、その良さは一切失われていません。バニーガール姿の海夢が動き、それにドキドキする新菜の神作画や人間描写は、3年待ったかいがあると断言できる仕上がりでした。
●映像美が圧巻な『瑠璃の宝石』
『瑠璃の宝石』は、『無職転生』『お兄ちゃんはおしまい!』など、卓越したクオリティのアニメを生み出す力を持つスタジオバインドが制作しています。水晶のペンダントにひと目ぼれした「谷川瑠璃」は、「自分にだって採れるはず!」と山に水晶探しに出かけます。そして、探索中の裏山で出会った鉱物学を専攻する大学院生の「荒砥凪」と、さまざまな鉱物を探しに山川を探検し始めます。
この作品の魅力は何といっても、山や川の美しい描写でしょう。木漏れ日の温かみ、流れる水の清涼感など、その景観につい見入ってしまいます。そして、鉱物採集のシーンでは山登りや川辺でのシーンを、さまざまなカメラアングルで描写します。キャラクターの動きに対する描写のこだわりもすごく、瑠璃たちの動向を目で追いかけるのが楽しくなる作品です。
原作者の渋谷圭一郎先生が鉱物学を修めていることもあり、勉強になるエピソードも盛りだくさんと、まさに「観ていて飽きない」の言葉にぴったりなアニメです。
●キャラクターの会話劇にハマる『銀河特急 ミルキー サブウェイ』
『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』は、原作、監督・脚本、キャラクターデザイン、音楽監督、制作とほぼすべてを亀山陽平さんが担当する作品です。亀山さんが3年前に手がけた自主制作アニメ『ミルキー☆ハイウェイ』の続編的な位置づけで放送される今作は、サイボーグの「マキナ」と強化人間の「チハル」という、一風変わったギャルふたりが主人公です。
近未来的な世界で、スピード違反や公務執行妨害などの「やらかし」を重ねたふたりは、ボロボロの惑星感走行列車(通称「ミルキー☆サブウェイ」)の清掃をする奉仕活動に参加します。ただの任務で終わるはずが、列車が暴走してしまい大事件に巻き込まれるというストーリーです。
今作はとにかくチハルとマキナ、そして周りを取り巻く登場人物の会話が面白いのです。気だるげでやさぐれた感じが漂いつつも頭から離れない中毒性のある会話や、近未来なのにどことなく昭和っぽさを感じさせる謎の雰囲気も、どんどんクセになっていくでしょう。
※記事の一部を修正しました(2025年7月28日11時18分)
(サトートモロー)