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えっ『スパイダーマン』で巨大ロボ? 実は日本発「レオパルドン」その偉大な功績とは

「レオパルドン」と聞いて思い浮かべるものは、もしかすると世代や地域によって大きく異なるかもしれません。その名を名乗る巨大ロボは、かつて「スパイダーマン」に登場していた、日本の特撮史においても重要な存在です。

圧倒的すぎる戦闘力 「秒殺ロボ」の異名

お値段5万8000円(税込)也。「【マスタークラフト】『スパイダーマン(日本版テレビシリーズ)』レオパルドン」(ホットトイズジャパン) (C)2025 MARVEL/Series by TOEI
お値段5万8000円(税込)也。「【マスタークラフト】『スパイダーマン(日本版テレビシリーズ)』レオパルドン」(ホットトイズジャパン) (C)2025 MARVEL/Series by TOEI

 2025年11月19日、SNS上では「レオパルドン」なるワードが大いに話題となっていました。『キン肉マン』の超人のことではなく、『スパイダーマン』の巨大ロボのほうです。台湾のメーカー、ビースト・キングダムによる、全高42cmのスタチューが500体、日本限定で発売されるとのアナウンスを受けてのものと見られます(発売、販売元はホットトイズジャパン)。

「は? スパイダーマンで巨大ロボ?」と疑問符を浮かべた人は、きっとお若い世代の方でしょう。「スパイダーマンという名前の別のなにか?」と思った人もいるかもしれませんが、正真正銘、おなじみのあの「スパイダーマン」で間違いありません。

 東映の制作で1978年から79年にかけて放送された特撮TVドラマ『スパイダーマン』には、毎回のように巨大ロボット「レオパルドン」が登場していました。全長60m、宇宙戦艦「マーベラー」が変形して現れるこの巨大ロボは、当時としては斬新な試みだったといえるでしょう。

 ご存じのように、スパイダーマンは本来、クモの能力を持つヒーローです。壁を登り、クモの糸を駆使して戦うのが基本スタイルといえるでしょう。ところが東映版では、敵の怪人が巨大化すると、スパイダーマンは「マーベラー!」と叫んで宇宙戦艦を呼び出し、さらに「マーベラー チェンジ レオパルドン!」の掛け声で巨大ロボに変形させ、これに乗り込み戦うのです。

 このレオパルドンが、「特撮史上最強秒殺ロボ」などと呼ばれているのはご存じでしょうか。撮影上の都合もあったのかもしれませんが、戦闘シーンが極端に短く、敵の攻撃にびくともしない圧倒的な防御力を誇っていました。登場するや否や、あっという間に敵を倒してしまう様子は、確かに「秒殺」という表現がぴったりかもしれません。

 この巨大ロボット戦の導入は、実は日本の特撮史において重要な転換点といえます。というのも、その後の「スーパー戦隊」シリーズに大きな影響を与えているからです。

 1975年から始まったスーパー戦隊シリーズの1作目『秘密戦隊ゴレンジャー』や2作目『ジャッカー電撃隊』には、巨大ロボットは登場しません。人型に変形する巨大ロボが初めて登場したのは、東映版『スパイダーマン』の後に制作された1979年の『バトルフィーバーJ』からなのです。

 巨大ロボだけではありません。東映版『スパイダーマン』では、腕に装着した「スパイダーブレスレット」で変身するギミックが導入されており、この「携帯可能なアイテムで変身する」という設定も、その後のスーパー戦隊シリーズで見られるようになりました。

 なお、この東映版『スパイダーマン』は、近年になって海外でも再評価されているようです。2023年に公開されたアニメ映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』には、レオパルドンがカメオ出演しており、続編『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』では満を持して登場するものと見られています。さらにプレイステーション4用ゲーム『Marvel’s Spider-Man』では、東映版の決めゼリフ「地獄からの使者スパイダーマン!」が日本語音声で流れるという演出も見られました。

 マーベル・コミック社は当初、巨大ロボット登場の演出に戸惑いを見せたといいますが、ワイヤーアクションやカメラトリックなど日本の特撮技術のクオリティには高い評価を示したといいます。そしていまでは、レオパルドンは公式にスパイダーマンの一員として認められているわけです。

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 ちなみに、権利関係の事情があるのか、東映版『スパイダーマン』は2025年現在、配信はなく、DVD-BOXも現在は絶版となっています。今後、より多くの人が作品に触れられる環境の整うことを願いたいものです。

(マグミクス編集部)

【画像】東映版「スパイダーマン」と「レオパルドン」こちら最新の立体化です(8枚)

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