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任天堂の“コインの音”の原点『マリオブラザーズ』脳裏に刻まれたシンプルで美しい音

対人プレイの面白さを教えてくれた

 また、このゲームでは敵を倒すとボーナスとしてコインが流れてくるのですが、これを取ったときの効果音はその後も任天堂のCMなどでずっと使われ続けています。あの音は『マリオブラザーズ』が原点なのです。

『マリオブラザーズ』のデザインとプログラムを務めたのが、現在は任天堂株式会社代表取締役フェローを務める宮本茂氏。後のインタビューで宮本氏は、フルーツなどを出すとお客さんが敵と勘違いして逃げてしまうかもしれないから、誰が見ても欲しがるお金を出したと語っています。37年も前の発想が今も任天堂を代表する音となっているのは、それだけあの音が、「コインを取ったときの音」として、完成されていたのでしょう。どれだけ技術が進みサウンドが美しくなっても、一度脳裏に刻み込まれたシンプルで美しい音は、消えはしないのです。

 そして『マリオブラザーズ』の話で忘れてはならないのが、対人プレイです。通常、2人プレイの時はこの作品が初登場となるマリオの弟ルイージが登場し、協力して敵を退治していくのですが、」さまざまな妨害方法があり、むしろ味方をどう出し抜いて倒すのかが一番楽しい遊び方だったような気がします。

 相方が気絶した敵を蹴る瞬間に下から突き上げて、敵の意識を回復させる。画面中央下にあるPOWブロックの下に陣取り、相方が気絶した敵を蹴ろうとした瞬間にやはり敵を目覚めさせる。2回突き上げないと気絶しないカニを、相方めがけて突き飛ばす。

 当時の筆者がやっていたのはこの程度ですが、ほかにも相手を押して敵や火の玉に当てるなど、さまざまな妨害方法があったようです。まだファミコン雑誌が出る前の時代だったので、自分たちが偶然見つけたやりかたや友達との口コミ以外は知りようがありませんでした。

『マリオブラザーズ』や『バルーンファイト』、『アイスクライマー』など、ファミコン黎明期には友達同士で戦えるゲームがたくさんありました。1990年代には『ストリートファイターII』をはじめとする対戦格闘ゲームが一大ブームを巻き起こしますが、その源流にあるのが『マリオブラザーズ』なのかもしれないと、筆者は想像しています。

(早川清一朗)

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