『聖闘士星矢』随一の人気者「黄金聖闘士」。誰もが魅了された「シンプルな理由」とは
ブーム時には「黄金聖闘士カースト」も…自分の星座は変えられない…

星座というものは生まれた時に決められたものです。自分の都合で変えられません。『聖闘士星矢』がブームだった時、このことがトラブルの原因になってしまったことも少なくないようです。
筆者の周りでは、「黄金聖闘士カースト」といわれていました。作品と同じく星座に導かれた宿命のようなもの。自分の力ではどうにもできないのが悩ましいところです。
以前、占いの勉強をした時に占い師の先生に聞いたことがあるのですが、『聖闘士星矢』の黄金聖闘士の性格は十二星座占い的にかなり当たっているそうです。本職の占い師がそういうくらいですから、黄金聖闘士たちと同じ星座を持つ人をイコールで見てしまいがちになるのは、仕方ないことかもしれません。
とはいえ、星座占いで人の性格が決まるものではありません。血液型などもそうですが、占いに詳しい人がおちいりやすい偏見みたいなもの。あくまでも楽しく占いを利用したいものです。
しかし、この十二星座占いに当てはまるということは、それだけ個性豊かな集団だったことの証明でもあります。この部分も黄金聖闘士の人気の秘密というわけです。
ちなみに筆者は射手座ですが、アイオロスや星矢のように矢のように真っ直ぐな性格ではありません。波乱万丈な人生を歩んではいますけど(笑)。
話を戻します。
黄金聖闘士にそれぞれファンがいるのは、12人の強さに明確な差がないところです。何せ作品中でも黄金聖闘士同士が戦えば消滅か千日戦争(ワンサウザンドウォーズ)になると言われているくらい実力伯仲なわけですからね。
その設定があるせいか、「12人で誰が最強か?」という話になると、人によって意見が別れることと思います。そして、ほとんど結論は出ません。そこが黄金聖闘士たちの魅力のひとつになっていると思います。自分と同じ星座をひいき目に見るという要素が加わることで、黄金聖闘士論争に拍車をかけることになるわけです。
甲子園の高校野球大会で、普段あまり気にしてない人も自分の地元は応援するようなものでしょうか。誰でも知っている十二星座をモチーフにしたことで、黄金聖闘士はより親しみやすいキャラになり、みなさんが熱く語る要因になったわけです。
でも論争に熱くなりすぎて、もめ事にならないようにしなくてはいけませんね。
(加々美利治)