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『ゴーショーグン』最終回から40年 「美しい」を流行語にした伝説のロボットアニメ

1981年に放送され、軽快なセリフのやり取りで話題をさらった異色のロボットアニメ『ゴーショーグン』から40周年。その人気は本作以降のさまざまな人気作品にも大きな影響を与えました。

それまでのロボットアニメにない「軽快なセリフ回し」

アニメ「戦国魔神ゴーショーグン Blu-ray BOX」(キングレコード)
アニメ「戦国魔神ゴーショーグン Blu-ray BOX」(キングレコード)

 本日12月28日は、40年前の1981年にTVアニメ『戦国魔神ゴーショーグン』の最終回「果てしなき旅立ち」が放送された日です。本作はロボットアニメでありながら、その個性的なキャラクターの会話と人物描写で人気を得た作品でした。

 内容は、進化する謎のエネルギー「ビムラー」を巡って、悪の秘密結社「ドクーガ」と、謎の男サバラス率いる「グッドサンダーチーム」との争奪戦をメインに、主人公の少年・真田ケン太の成長を追っていく物語です。

 当初はシリアスな雰囲気がメインでしたが、徐々にギャグを交えた軽快なテンポへと作劇がシフトしていきました。やがて、予告編に代表される声優陣のアドリブのような軽妙なセリフのやり取りが、ファンから注目されるようになっていきます。

 実は本作の企画時には、かなりシリアスな展開が予定されていました。本来はレミー島田などが死ぬことでケン太が成長していくという流れでしたが、製作の葦プロダクションが国際映画社と共同で作った前作にあたる『宇宙戦士バルディオス』がシリアスで暗すぎたことの反省から、明るい方向性にシフトしたそうです。この方向転換が序盤から機能したことで、作品が多くのファンに受け入れられるきっかけとなりました。

 もちろん、最初に設定された設定は重いもので、特にグッドサンダーチームの3人の過去は作品内で見せる軽い調子とは別の一面を見せています。この二面性がキャラの魅力を一層ふくらまして本作の人気につなげたのでしょう。

 キャラ人気といえば、敵側ドクーガ三幹部のひとりであるレオナルド・メディチ・ブンドルは多くのファンを生みました。声を担当した塩沢兼人さんによる「美しい」と「美しくない」のセリフは、当時のアニメファンなら誰もがマネした1981年のアニメ流行語です。この美意識に対するこだわりのエピソードは多く、戦闘中にクラシック音楽を大音量で流す行為は、後のゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズでも再現されていました。

 名セリフが多いことでも有名な、ブンドル最大の名セリフだと筆者が思っているのは、ドクーガに6兆ドルの損失を出して、その返済をローンにするか聞かれた時に言った……

「もちろん、潔く一括払いだ!」

……でしょう。この年の第4回アニメグランプリのキャラクター部門で、『六神合体ゴッドマーズ』の明神タケル、『うる星やつら』のラムに次いで3位だったことからも、当時のブンドル人気の高さがわかります。

 ちなみに女性声優部門では、それまで不動の1位だった小原乃梨子さんを抜いて本作のレミー役だった小山茉美さんが1位を獲得。作品部門では本作が2位でした(1位は『さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅』)。そして、サブタイトル部門の1位が本作の第26話「果てしなき旅立ち」だったのです。これらの結果だけ見ても、当時の人気の高さがわかることでしょう。

※以下、『ゴーショーグン』最終回のストーリー内容が大量に含まれた文章がありますのでご注意ください。

【画像】「潔く一括払いだ!」美を追い求める『ゴーショーグン』の大人気キャラ(5枚)

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