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40周年の『ザブングル』は「パターン破り」が満載! のちにロボットアニメの定番へ

その後のロボットアニメに多大な影響を与えた「パターン破り」

作中で活躍したウォーカーマシン「ザブングル」。画像は「HI-METAL Rザブングル 塗装済み可動フィギュア」(BANDAI SPIRITS)
作中で活躍したウォーカーマシン「ザブングル」。画像は「HI-METAL Rザブングル 塗装済み可動フィギュア」(BANDAI SPIRITS)

 本作は「初の主役機交代劇があった作品」としてよく取り上げられています。ここにあえて加えるとすれば、「番組タイトルになっている機体」であることを忘れてはいけません。たまに『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』で、「ヤッターワン →ヤッターキング→ ヤッターゾウ」が先例だと言う人もいるからです。

 もっとも、一般的な乗り込みタイプの人型ロボという点では本作が初めてで、『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』の「逆転王→ 三冠王」より1か月ほど早く交代していました。

 後半の主役機であるウォーカー・ギャリアは富野監督の発案で、デザイン的に他のWMと大きく異なるザブングルとの溝を埋めるべく考えたそうです。もともと『機動戦士ガンダム』以降のこの放送枠では後半からGファイター、トライダー・シャトル、クロスエイダーといったように、主役機のパワーアップメカのオモチャがスポンサーのクローバーから発売されていました。この流れがいわゆる「2号ロボ」に変わったわけです。

 ちなみにザブングルとギャリアをミックスしたようなデザインで、終盤に登場したブラッカリィは、湖川さんが初期にティンプ機としてデザインしたものが原型だったそうで、当初からザブングルの世界観にそぐわないデザインは問題視されていました。

 まるで鬼子のように言われるザブングルですが、主役機として異例な点があります。それが第1話から2台登場していること。これは放送まで明かされておらず、第1話ラストシーンでジロンが言った「もう一台あるのか?」は、同時に視聴者の誰もが叫んだことです。

 さらに中盤の盛り上がりではアイアン・ギアーが同系艦と戦うという異例の展開もありました。「パターン破りのザブングルといえども同系艦が敵になって出てくるとは思うまい」というセリフもあり、この作品がそれまでのロボットアニメになかったものを目標にしていたことがわかります。

 余談ですが、本作からこの作品枠のスポンサーになったバンダイも革新的なプラモデルを販売していました。1/100シリーズではアニメ設定よりディテールを追加したミリタリーモデルのような商品で、ガンプラをよりグレードアップしたクオリティはファンをおどろかせます。

 しかし、商品展開の遅さから売り上げは今ひとつ伸びませんでした。初期のラインナップが小型WMばかりで、主役機であるザブングルの発売が終盤間近の12月に1/144、メインの1/100は放送終了後です。

 これでは商品がよくても数字に反映されるわけもなく、後半の主役機ギャリアの1/100は販売されないままシリーズ展開が終了するという、前代未聞の事態になってしまいました。

 もちろん革新的なパターン破りというと、メカだけでなく、キャラにおいても実行されています。劇中で「どマンジュウ」などと言われ、丸顔で二枚目な要素のない主人公ジロン。ヒロインとして同格だったエルチ・カーゴとラグ・ウラロのダブルヒロイン。そして、このエルチが後半に洗脳されて終盤近くまで敵となるのも、それまでにあまり例のないことでした。

 逆にこれらの「パターン破り」が現在ではパターンのひとつになっているわけですから、本作が後世に影響を与えた革命的な作品だったことは間違いないでしょう。そして、富野監督も自身が作った『ガンダム』を超えるべく、この枠で新しい作品に挑戦していくわけですが、それがどうなるのかはまた別のお話となります。

(加々美利治)

【画像】『ザブングル』放送途中で交代した主役機と、個性的なメカたち(5枚)

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