韓国の「怪獣映画」とは? 強烈描写とB級感あふれる「すさまじい」世界
2019年はハリウッド版『ゴジラ』が劇場公開され、世界的に怪獣映画が盛り上がっていますが、韓国の怪獣映画にはどのようなものがあるのでしょうか。韓国の怪獣映画とその特色について解説します。
1960年代から見られた、衝撃的な描写
2019年はハリウッド版『ゴジラ』の新作も公開され、世界的に怪獣映画が盛り上がっていますが、韓国の怪獣映画にはどのようなものがあるのでしょうか。
韓国の怪獣映画で有名なのは『グエムル-漢江の怪物-』(2006年)でしょう。漢江の河川敷を舞台に人を襲うグエムルの姿は非常に迫力があるものでした。また『第7鉱区』(2011年)では、海上で孤立した採掘船の中で怪物に襲われる恐怖を描いていました。
韓国ではロボットものやヒーローものの映像作品はたくさん存在していましたが、怪獣映画は案外多くありません。しかし存在しないわけではありません。ソフト化はされていませんが、韓国版の『プルガサリ』(1962年、北朝鮮で製作された『プルガサリ―伝説の大怪獣―』(1985年)とは別)や『宇宙怪人ワンマグイ』(1967年)といった作品を嚆矢として、いくつかの怪獣映画が作られています。
他の怪獣映画では、大映のガメラシリーズのスタッフが参加したことで知られる『大怪獣ヨンガリ』(1967年)が有名だと思います。ヨンガリはドイツでは『ゴジラ 死の爪』というタイトルで知られています。
ラスト、薬剤を散布されて体中を掻き毟り苦しみながら下血して死んでいくヨンガリの姿に衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。日本でもソフト化されているので視聴は比較的容易です。
こうした作品に影響を受けたのか、怪獣もののアニメ映画、その名も『怪獣大戦争』(1972年)という作品もあります。同名の東宝特撮とは全く無関係な作品です。
『帰ってきたウルトラマン』(1971年)や『黄金バット』(1967年)に登場する怪獣が世界中で暴れまわり巨大ヒーローと戦うという内容でした。ヒーローが怪獣軍団を大量虐殺しているようにしか見えないバトルシーンや怪獣を絞め殺すシーンなど、衝撃的な戦いを見ることができます。
宇宙ロケットがストーリーに絡む点でも『大怪獣ヨンガリ』の影響がみて取れます。この『大怪獣ヨンガリ』は1999年にリメイクされてシム・ヒョンレ監督による『怪獣大決戦ヤンガリー』として日本でも公開されたのは、ご存じ方も多いだろうと思います。
そして2007年には同じシム・ヒョンレ監督による『D-WARS』が作られましたが、公開されたアメリカでは酷評されたということです。確かにB級映画の雰囲気があります。