「戦隊」と「プリキュア」で真逆なクリスマス回…なぜ? わりとメタな納得の理由
ニチアサ枠で放送されている「戦隊」と「プリキュア」は、共にクリスマス回があることで知られています。しかし、クリスマスをめぐってのエピソードでは、真逆ともいえる展開が多くありました。
戦隊にとってクリスマスが一大決戦になる理由
おなじみ「スーパー戦隊」シリーズと「プリキュア」シリーズは、ともに1年間にわたり放送されており、そして年末のこの季節には「クリスマス回」と呼ばれるエピソードが定番です。ところがその展開は、両シリーズで真逆となっているケースが多いようです。その違いに関して解説していきましょう。
そもそも両シリーズには、いくつかの共通点があります。なかでも番組の放送時期は、、共に2月前後から放送を開始して、翌年の同時期に最終回を迎えるのが通例です。もちろん例外もありますが、ほぼこのフォーマットです。
それゆえ両シリーズには、年を越して年始になると、最終回の最終決戦に向けて怒涛の展開が待ち受けています。そして、その前にイベント回として「クリスマス回」があるというわけです。
特に戦隊シリーズは、このクリスマス時期に必ず行われるといってもいい展開があります。それがクリスマス商戦に向けた販売促進です。
この戦隊シリーズのクリスマス回は、おおむね2話から3話に渡って繰り広げられてきた大激闘の決着がつき、この間に、これまでの装備や巨大メカが劇中で総登場するなどします。
こうしたメカや巨大ロボの見せ場をたっぷり作ることで、メイン視聴者である子供たちにオモチャが欲しいと思わせる、というのが、基本的な戦隊シリーズのクリスマス回です。
もちろん戦隊シリーズすべてがそういうわけでなく、例外もありました。
たとえば、シリーズ第42作『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(2018年)の第45話「クリスマスを楽しみに」がそうで、こちらは敵役「サモーン・シャケキスタンチン」の名セリフ「クリスマスにはシャケを食え!」で、ファンだけでなく一般層にまで広く知られるエピソードです。
もっとも、この『ルパパト』第45話も、前週の第43話、第44話は前後編で最終戦に向けた展開のストーリーとなっていました。それらは「パトレンジャー」側の活躍となっており、第45話では逆に「ルパンレンジャー」側の巨大ロボに見せ場を作ることで目的を補完しています。これは、対立するふたつの戦隊が中心となった作品ゆえの、クリスマス展開だったのでしょう。
ともあれこのように、戦隊シリーズではクリスマスまでに一度、話を大きく盛り上げ、翌年に行われる最終決戦に向けてのエピソード開始までひと段落つける、というのが定番でしょうか。
一方のプリキュアシリーズは、戦隊シリーズとはまた違ったクリスマス回が多く制作されてきました。