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「ウルトラマン」たちの変身アイテムって最近どうなってんの? ドラマにも影響が

誰もが一度はマネしただろうウルトラマンの変身、昭和のキッズの多くはそのアイテムを代用品で済ませていました。しかし近年では、代用品では子供が満足できないほどギミック満載となっています。

「ウルトラマン」はみな「代用品」で変身ゴッコ

当時のキッズは懐中電灯などで変身していました。「S.H.Figuarts ウルトラマン[BEST SELECTION]」(BANDAI SPIRITS) (C)円谷プロ
当時のキッズは懐中電灯などで変身していました。「S.H.Figuarts ウルトラマン[BEST SELECTION]」(BANDAI SPIRITS) (C)円谷プロ

「ウルトラマン」たちが変身するときに必要とするアイテムは、世代を重ねていくことで大きく変化してきました。その変遷を見ていくと、ドラマにも大きな影響を与えていたことに気付きます。

「ウルトラ」シリーズ最初の変身アイテムといえば、『ウルトラマン』(1966年)で登場した「ベーターカプセル」でした。これを使って科学特捜隊の「ハヤタ」は、「ウルトラマン」へと変身します。

 今でいうペンライト風のアイテムで、「100万ワットの輝きだ」と主題歌の歌詞にあるように強力な光を放つことができました。この光によって地底人を一気に壊滅させたこともあります。

 加えて、単なる変身アイテムというわけではないらしく、最終回では「ゾフィー」がハヤタとウルトラマンを分離する際にも使用しました。ちなみに「フラッシュビーム」という名前で憶えている人も少なくないでしょう。これは1990年代まで、ふたつの名前が併用されていたことがあったからです。

 そして、『ウルトラセブン』(1967年)で「モロボシ・ダン」が「ウルトラセブン」に変身するときに使ったのが「ウルトラアイ」でした。メガネ状の変身アイテムです。

 このベーターカプセルとウルトラアイは、シリーズを代表する変身アイテムといえるでしょう。子供のころにペンやメガネを使ってマネをした経験が、誰しもあるのではないでしょうか。

 これには理由がありました。近年ではありえないことですが、これらの変身アイテムは当時、商品化されていなかったようです。つまり子供としては代用品で遊ぶしかなかったのでした。もっとも非版権商品、いわゆる「パチモン」のオモチャが、駄菓子屋にあったという証言も聞いたことがあります。

 現在の商品事情では考えづらいことですが、当時は変身アイテムというもの自体、まったく新しいものだったので商品化まで考えていなかったのでしょう。その点では、変身アイテムは軽視された存在だったのかもしれません。

 もっとも、ドラマ作りには必要なアイテムでした。変身できないというピンチを描くには、分かりやすい小道具だったからです。

 ベーターカプセルを落として、拾うのに苦労するハヤタの場面を思い出す人も多いことでしょう。またダンに至っては、何度か敵宇宙人にウルトラアイを盗まれるという失態を演じていました。

 まったくの余談ですが、『帰ってきたウルトラマン』(1971年)では、変身アイテムは出てきません。つまり変身への障害は皆無に思えます。

 そうなると変身に対するハードルは低く、また変身アイテムがないことで安易に変身できると思われるかもしれませんが、そうはなりませんでした。実際、「郷秀樹」の慢心から「ウルトラマン(後のジャック)」に変身できないことがありました。変身アイテムがなくとも、それならそれで相応のドラマを作ることは可能というわけです。

【画像】「やっぱペンライトやん!」こちらがウルトラマンの変身アイテム「ベーターカプセル」です(6枚)

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