マグミクス | manga * anime * game

「仮面ライダー」のラスボスといえば? 昭和と令和でまったく話が噛み合わないワケ

好評放送中の『仮面ライダーガヴ』の最終回が近づき、どうなるかの予想もファンの間で盛り上がっています。そして、最終回といえばラスボスの存在が欠かせません。そのラスボスを考えた時、意外な事実が見えてきました。

令和ライダーは何と戦っているのか?

「仮面ライダーガヴ VOL.1」(東映ビデオ)
「仮面ライダーガヴ VOL.1」(東映ビデオ)

 2025年5月現在、好評放映中の特撮ヒーロー作品『仮面ライダーガヴ』、その5月25日に放送された第36話では、主人公「仮面ライダーガヴ」の最終進化フォームと予想される「仮面ライダーガヴ マスターモード」が登場し、ファンのあいだでは早くも最終決戦への話題で盛り上がっています。

 その話題のなかで特に注目を集めているのは、今年のラスボスは誰なのか、という点でしょうか。近年の「仮面ライダー」シリーズでは、ひとつの作品のなかでも悪役が入れ替わり立ち替わりになることが多く、放送開始直後にラスボスの影すら見えないことも多くあります。

 そういったラスボス予想に加えて、注目されているのが「今年のラスボスも仮面ライダーなのか?」という点でした。なぜなら令和から放送されたシリーズでは、「ラスボスといえば仮面ライダー」となっているからです。

 以下はいわゆる「令和ライダー」作品とそのラスボスたちです。

・『仮面ライダーゼロワン』(2019年) 「仮面ライダー滅アークスコーピオン」
・『仮面ライダーセイバー』(2020年) 「仮面ライダーストリウス」
・『仮面ライダーリバイス』(2021年) 「仮面ライダーバイス」
・『仮面ライダーギーツ』(2022年) 「仮面ライダーリガドΩ」
・『仮面ライダーガッチャード』(2023年) 「仮面ライダーエルド」

 ファンのあいだでも意見が分かれる作品は、『仮面ライダーリバイス』でしょうか。なぜなら本来のラスボスと言える存在が「ギフ」で、その後の展開で戦ったのが「仮面ライダージュウガ」、最終的に戦ったのがバイスだったからです。ラスボスと呼べる存在が解釈次第で異なるという、非常に希有な例でしょう。

 ともあれこの事実は、しばらくシリーズから離れていたかつての視聴者にとっては、きっと驚愕の事態だと思います。なぜこんなことになっているのか、仮面ライダーとラスボスの関係について歴史を紐解いてみましょう。

 昭和ライダーの時代、仮面ライダーは絶対的正義の味方であり、敵になるなんてありえないというのが常識でした。時折、偽物が出る程度です。そのようなシリーズで初のライダー的な悪役といえば、『仮面ライダーBLACK』(1987年)に登場する「シャドームーン」でしょうか。

 ここでポイントなのが、シャドームーンはあくまでもライダーとデザインが酷似しているだけで、仮面ライダーではない点です(後年のリブート作品では仮面ライダー名義となりました)。

 つまりシャドームーンは、シリーズ初のラスボス仮面ライダーではありません。作品で最後に戦ったのは「創世王」ですから、その点でも違うといえるでしょう。創世王とは戦いらしいことはしていないという点はともかくです。

 こういったように、昭和シリーズでは「悪の首領」がラスボスという展開が定番でした。頂点である首領を倒すことで、悪の組織が滅んでハッピーエンドを迎えるという、わかりやすいドラマだったからです。

【画像】令和ライダー最初のラスボス『ゼロワン』より「仮面ライダー滅 アークスコーピオン」(12枚)

画像ギャラリー

1 2 3