「仮面ライダー」のラスボスといえば? 昭和と令和でまったく話が噛み合わないワケ
「ラスボス仮面ライダー」の歴史とは?

時代は平成に移り、シリーズ初のラスボス仮面ライダーが現れました。それが平成シリーズ第3作『仮面ライダー龍騎』(2002年)に登場する「仮面ライダーオーディン」です。
もともと『龍騎』は、自分以外の仮面ライダーは基本的に敵といえる存在でしたから、オーディンがラスボスだったことに疑問を感じる人はあまりいませんでした。むしろ放送当初から悪役の仮面ライダーの登場が議論となっていたくらいで、ラスボスも仮面ライダーになるだろうことは予想されており、それに関しては些細なことだったわけです。
こうして初のラスボス仮面ライダーが生まれましたが、おどろくことに以降のシリーズではしばらく登場していません。それではふたり目のラスボス仮面ライダーは誰かというと、これは意見が分かれることになるでしょう。
一般的には、それは『仮面ライダー鎧武/ガイム』(2013年)の最終回に登場した「仮面ライダー邪武」と考えられます。ここでポイントとなるのが、『鎧武』も『龍騎』同様に複数の仮面ライダーが登場し、互いに争うという物語展開だったことでしょうか。
しかし、このラスボス説にも意見が分かれる点があります。間違いなく邪武は最後に戦った敵ですが、最終回はエピローグ的なエピソードでした。1年間の物語を通して考えた場合、「ロード・バロン」がラスボスといえるでしょう。
このロード・バロンも、もとは「仮面ライダーバロン」ですのでラスボス仮面ライダーといえなくもありません。ただそうなると『仮面ライダー剣』(2004年)のラスボスである「ジョーカー」も、「仮面ライダーカリス」と考えれば……となってしまいます。
なんら問題なく「ラスボス仮面ライダー」と呼べる存在は、『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)の「仮面ライダークロノス」といえるでしょうか。そして平成ライダー作品における仮面ライダー名義のラスボスは、ここまでに挙げただけです。意外にも平成時代でも、それほど多くありません。
ライダーに酷似したラスボスは、ほかにも何人かいました。ただし正式名称と思われるものに「仮面ライダー」の文字はなく、あくまでも「ライダー的なラスボス」というわけです。
そう考えていくと、意識しているのか令和シリーズ以降のラスボスは必ず仮面ライダー、という点に注目されるのも当然といえるでしょう。ちなみに、この令和ライダーの系譜とは違うはずの映画『シン・仮面ライダー』(2023年)では「仮面ライダー第0号/チョウオーグ」、配信作品『仮面ライダーBLACK SUN』(2022年)では「仮面ライダーSHADOWMOON」がラスボスとなっています。
こうなると、もはや作品世界的に「仮面ライダーと戦えるのは仮面ライダーだけ」ということなのかもしれません。とりあえず仮面ライダーのネームバリューなら強さが担保できるのでしょう。メタ的にいえば、変身ベルトのようなアイテムを限定商品としてリリースできることも大きいのかもしれません。
はたして今年もラスボス仮面ライダーは登場するのでしょうか? そして誰が変身するのでしょうか? ファンの予想が過熱するのも当然かもしれません。
(加々美利治)










