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二度と使われなかった「ダンス」と「教師」 スーパー戦隊のちょっとした謎に迫る

スーパー戦隊シリーズには、繰り返し使われるモチーフがある一方、なぜか1作きりで終わったものも存在します。その背景には、時代の空気や制作現場のさまざまな事情が絡んでいることもあるようです。

全50戦隊の歴史には、そういうこともあります

「スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1979 バトルフィーバーJ」(講談社)
「スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1979 バトルフィーバーJ」(講談社)

「スーパー戦隊」シリーズは、49作品に50の戦隊が登場し、忍者や恐竜、乗りものといったモチーフが繰り返し使われてきました。他方、1作きりというものも見られます。

 そうしたひとつが、「ダンス」をモチーフとしたシリーズ第3作『バトルフィーバーJ』です。「フィーバー」というネーミングも、実はダンス由来でした。

 背景には、前年の1978年に国内公開された、ジョン・トラボルタさん主演の映画『サタデーナイト・フィーバー』の大ヒットがあるといいます。空前のディスコブームが起き、「フィーバー」という言葉は流行語となりました。ここから、戦闘にダンス要素をミックスしたモチーフが誕生、「バトルフィーバー」となります。

 主人公たちバトルフィーバー隊の5人のメンバーは、それぞれが世界各地のダンスを基礎とした戦闘スタイルを持っており、たとえばリーダーの「伝正夫(でんまさお)」は空手やカンフーを取り入れた「カンフーダンス」で戦うという設定です。

 ところが本編での戦闘に、この設定が活かされることはほとんどありませんでした。東映でプロデューサーを務めた平山亨さんの著書『泣き虫プロデューサーの遺言状~TVヒーローと歩んだ50年~』(講談社)によると、当時のテレビ事業部部長が本作第1話の試写を観るや、「踊りってのは何ごとだ。そんな軟弱なもの」と怒りだし、ダンス要素はカットされることになったのだとか。結果、メンバー各々の名乗りにダンス要素の名残は見られるものの、バトルは普通のものに落ち着いたとのことです。

 モチーフ、とは少々異なりますが、1990年放送開始のシリーズ第14作『地球戦隊ファイブマン』にも、1作きりの「設定」が見られます。それは、「戦隊メンバーの5人全員が小学校の教師」というものです。

 ちなみに本作の放送の2年前には、田原俊彦さんが小学校教師を演じたTVドラマ『教師びんびん物語』が、前年には『教師びんびん物語II』が大ヒットしていました。

 さておき、この「教師」という設定がのちの戦隊シリーズのメンバーに見られないことを鑑みると、あまりウケはよろしくなかったことがうかがえます。それは視聴者に未就学児が多いであろうことも要因のひとつかもしれません。視聴率も放送開始からしばらくはかなり苦戦していたようです。

 なお、ファイブマンの5人のメンバーは全員が血の繋がった兄弟姉妹であり、この「血縁」という設定はのちの作品、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(1999年)、『魔法戦隊マジレンジャー』(2005年)にも見られます。

(マグミクス編集部 特撮担当)

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マグミクス編集部 特撮担当

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