平成ガメラの宿敵「ギャオス」の中には“業界初”の人物(当時20代)が入ってた? 過酷だけど「寂しかった」
特撮史に残るギャオスの名場面を覚えている人も多いでしょう。実は、なかの人も同じくらい特撮史に名を残したのです。
今も精力的に活動中

「ガメラ」シリーズにおいて、宿敵と言える怪獣はやはり「ギャオス」です。1967年公開の『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』で初登場以降、「平成ガメラ」シリーズ、2023年のアニメシリーズ「GAMERA -Rebirth-」と昭和、平成、令和、それぞれに登場しています。
そんなギャオス登場作のなかでも1995年公開の『ガメラ 大怪獣空中決戦』(監督:金子修介、樋口真嗣)におけるギャオスは、強烈でした。
とりわけ、東京タワーを自衛隊を誘導することで破壊しその上に巣を作って佇む姿は、特撮史のみならず日本映画史に残る名シーンとして語り継がれています。
さてこのギャオスにはもう一点、特撮の歴史にとって重要なポイントがありました。というのも、本作においてギャオスの着ぐるみの「中の人」を担当した人物が、日本の特撮史上初となる方だったのです。
ギャオスに入っていたアクターは、亀山ゆうみさんという女性でした。着ぐるみの演技は主に体力面で過酷極まりなく、これまで男性が担当していた分野です。そこに風穴を開けたのが、亀山さんでした。
亀山さんは当時、20代の若手女優で、バレエ経験を活かしたキャリアを積んでいたといいます。そして知人の紹介を受けて、ギャオスの「スーツアクトレス」の仕事が突然、舞い込みました。驚きつつも「やってみたい」と意を決し、ギャオス役を引き受けたのです。
当然、顔の演技はできません。身体表現のみですが、バレエダンスの経験が、ここで活かされます。
亀山さんはイメージトレーニングを念入りに行い、撮影に臨みました。もちろん、その撮影は過酷極まるものだったことは容易に想像できます。ボディースーツをまとって、ギャオスの着ぐるみのなかに入っている写真もあり、かなり暑かったことでしょう。それでもギャオスの撮影が終わった際は、「寂しかった」とのことです。
なお亀山さんは劇中、リポーター役としても出演しています。決して筋骨隆々ではありません。むしろ真逆の、とても可愛らしい方です。この人が恐ろしいビジュアルのギャオスのなかに入っていた、と思うと余計に頭が混乱してきます。
現在亀山さんは女優として、あるいはアクションコーディネーターとして活動中です。彼女のXアカウントのプロフィールを見ると、最後に「昔、怪獣だった人」と書いてあります。
(片野)