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「フギャーハギャー」 ピグモンの甲高い声の主は当時の大御所芸人! 「やってよ」「いいよ」で決まった裏エピソード

特撮の怪獣の鳴き声は、動物の声や楽器、さまざまな機械の音やドアの開閉といった生活音まで、多種多様な音を加工して作っているそうです。人間の声をそのまま使うのはかなりレアケースだといいます。

アキコ「あれは、確かに言葉よ!」

ピグモンが表紙の『成田亨 作品集』(羽鳥書店)
ピグモンが表紙の『成田亨 作品集』(羽鳥書店)

 ウルトラシリーズには、凶暴な怪獣だけでなく人間に優しい怪獣も登場します。そのパイオニア的存在が『ウルトラマン』に登場した「ピグモン」です。その声は、当時の大御所芸人が演じていました。

 ピグモンは怪獣のくくりですが、別名は「友好珍獣」です。身長1m、体重10kgと小柄で、小学2年生ほどの知能があり、大きな目にガマ口、ぴょこぴょこと飛び跳ねる仕草がかわいらしく、人気キャラになりました。

 ピグモンの特徴のひとつは、「言葉を話すこと」です。第8話「怪獣無法地帯」に登場したときは、「ウキャ、ウキャ」と小動物のような鳴き声だけでしたが、2度目となる第37話「小さな英雄」では、感情豊かに声を発しています。

 少し甲高く、「アウアウ、フギャ、ウギャ」と、文字にするのが難しい奇声のようですが、激しい口調で人間に何かを訴えました。この声は翻訳機によって、「ジェロニモンが怪獣60体を復活させて総攻撃を仕掛けてくる」と解読されています。

 この、ピグモンの声優は、鳴き声のようでも必死に危険を伝えている感じを表現しなければなりません。今あらためて考えると、かなり難しい芝居だったと思われます。

 実はこのピグモンの声は、昭和42年放送当時、日本国民の多くが知っていた人気芸人が担当していました。

 その人とは、モノマネ・声帯模写の芸人である、3代目・江戸屋猫八さんです。「いわれれば納得!」と思う、オールドファンは多いかもしれません。OPのクレジットに名前が載っていないので、OAを見ただけで分かった人はほとんどいなかったでしょう。確かに、動物的な甲高い声で必死さを伝える声の芝居には、適役だったと思います。

 しかしなぜ、猫八師匠のような大御所をノンクレジットで声優に使うという、贅沢なことができたのでしょうか。

 この第37話の監督は、満田かずほさんという『ウルトラQ』や『ウルトラセブン』など、シリーズで何作も監督を務めている演出家が担当していました。当時、満田さんは主に日本テレビ系で放送中の『快獣ブースカ』の監督を務めており、本作の主人公少年の父親役が猫八師匠だったのです。

『ウルトラマン研究読本』(洋泉社MOOK)に載っている、満田さんのコメントによると「当時、すでに芸人として大御所だったけど、やってよって言ったら、いいよって決まって、それでタイトルにも出ていないんですよ」とエピソードを振り返っています。

 当時は、こんなふうにスタッフと演者のフランクなやりとりで仕事が決まることは、珍しくなかったようです。ただ、満田さんも猫八師匠の芸風とピグモンの声がイメージできていたから、お願いしたのだと思います。

 ちなみに、作中でピグモンの言葉を翻訳機が解読し男性の声が読み上げますが、この声は猫八師匠ではありません。再放送も多かった昭和時代、ピグモンのコミカルな動きと甲高い声は、子供たちのあいだでさかんにマネされたといいます。猫八師匠もきっと喜んでいたでしょう。

(玉城夏)

【画像】え、「知ってる」「まさかの」 コチラがピグモンを演じていた有名芸人(当時45歳)です

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