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『ウルトラマン』演者に大不評だった科学特捜隊のオレンジ服 でも「ひし美ゆり子」は憧れてた理由とは

科学特捜隊の隊服はオレンジ色で、演者からは不評でした。でも『セブン』のアンヌ役を務めた、ひし美ゆり子さんは憧れていました。なぜ?

ド派手なオレンジ色は演者には不評だったけど

科学特捜隊の服に憧れていたひし美ゆり子さんが表紙の『アンヌ今昔物語: ウルトラセブンよ永遠に… 単行本』(小学館)
科学特捜隊の服に憧れていたひし美ゆり子さんが表紙の『アンヌ今昔物語: ウルトラセブンよ永遠に… 単行本』(小学館)

『ウルトラマン』(1966年)は、視聴者はもちろん、演者やスタッフにとっても大切な作品であることは間違いありません。とは言いながらも、撮影中は何かと気苦労が多かったのもまた事実です。なかでも、科学特捜隊の印象的な隊服は、俳優から不評でした。

 たしかにあの隊服は、ド派手なオレンジ色をしています。『ウルトラマン』が放送された1966年は、カラー放送の黎明期ということで、そのアピールには十分すぎる色彩でした。放送当時は売り出し中の若手俳優だった科学特捜隊のメンバーからすれば、この制服が恥ずかしくてたまらなかったそうなのです。

 2011年1月1日に放送された「徹底検証!ぼくらのウルトラマン伝説~昭和のヒーロー」内の、「ハヤタ」役の黒部進さん、「フジ・アキコ」隊員役の桜井浩子さん、「アラシ」隊員役の毒蝮三太夫さんによる鼎談でも、この隊服について次のように語られています。

 毒蝮「この隊員服着るのが嫌で嫌で」

 桜井「それはみんな共通」

 黒部「恥ずかしかったねえ…」

 話が隊服に触れた途端、ワッと堰を切ったかのように隊服の悪口を言い出す御三方は、なんとも活き活きしていました。この鼎談内では、外ロケで街に繰り出す際は恥ずかしいので、なるべく科学特捜隊のメンバーで固まって動いたという微笑ましいエピソードも飛び出しています。

 ところが、散々な言われようだった科学特捜隊の隊服に、憧れの目線を送っていた、ひとりの若手女優がいました。それは、次回作『ウルトラセブン』で「友里アンヌ」隊員役を演じたひし美ゆり子さんです。

 いったいどうしてと思われるかもしれませんが、理由は至ってシンプルでした。ひし美さんは、「オレンジ色が大好き」だから、この一点に尽きます。彼女の自伝『アンヌ今昔物語: ウルトラセブンよ永遠に…』では、

「オレンジ&黄色系が大好きで、こんな奇抜な色の衣装が着られたら嬉しいな……と内心思った」

 と、当時の心境を述懐しています。これは本音のようで、彼女は『ウルトラセブン』の面接の際に、自前のオレンジ色のワンピースにオレンジの帽子を被って出向いていたのでした。自前の衣装が、それに近い色彩だったのです。

 さて、『ウルトラセブン』のアンヌ役に見事抜擢されたひし美さんが、希望通り鮮やかな隊服に身を包めたかといえば、それはもう歴史が証明しています。まるで運命のイタズラのように、前作の鮮やかさとはほど遠いグレーの大人びた「ウルトラ警備隊」の隊服が、彼女に支給されました。そして、その姿は、ウルトラヒロインの歴史に、いまもなお燦然と輝いています。

 ということで当時の演者からすれば、いささか派手すぎた科学特捜隊の隊服ですが、かなり近いところに、「憧れ」の眼差しを向けていた人がいました。この事実があれば、隊服も多少は報われるかもしれません。

(片野)

【画像】え、「同じオレンジだ」 コチラがひし美ゆり子さんが「隊員服を脱いだ」衝撃の姿です

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片野

構成作家。1960年代カルチャーを好む。これまでに「ウルトラ」シリーズをはじめとする特撮番組、「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」など国民的RPGシリーズ、ギャグマンガのジャンルで記事を多数執筆。

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