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『バトルフィーバーJ』サロメから『チェンジマン』シーマまで、昭和戦隊を彩った女性幹部の魅力

「スーパー戦隊」シリーズにおいて、敵組織に所属する女性幹部は、物語に華やかさと緊張感をもたらす存在として注目されてきました。戦闘能力の高さに加え、美しさや独特の存在感を放つキャラクターも多く、その印象的な活躍は作品の評価を語るうえで欠かせない要素となっています。

アクション女優から美人プロレスラーまで

『バトルフィーバーJ』にてサロメ役を演じたマキ上田さんが描かれた『ビューティ・ペア 真赤な青春』DVDパッケージ(東映ビデオ)
『バトルフィーバーJ』にてサロメ役を演じたマキ上田さんが描かれた『ビューティ・ペア 真赤な青春』DVDパッケージ(東映ビデオ)

 長い歴史を刻んだ「スーパー戦隊」シリーズでは、これまで敵組織の魅力的な女性幹部が登場してきました。圧倒的な強さだけでなく、妖しさや色気をまとった佇まいで視聴者の記憶に刻まれるキャラも多く、作品を象徴する存在として語られることも少なくありません。

●妖艶さと狂気が同居した初代女幹部

『バトルフィーバーJ』は、1979年に放送された「スーパー戦隊」シリーズ第3作で、世界各国をモチーフとした5人の戦士が「秘密結社エゴス」と戦う姿が描かれています。シリーズの礎を築いた作品として知られ、そのなかでも女幹部「サロメ(演:マキ上田)」は強烈な存在感を放ちました。

 エゴスに所属するサロメは格闘技主体の戦いを得意とし、バトルフィーバーの必殺技「ペンタフォース」を耐え抜くほどの強靭な肉体を持っています。歴代女性幹部のなかでも屈指の筋肉質なボディを誇り、黒を基調としたボンデージ風のコスチュームに身を包みムチを武器に戦うスタイルは、当時の子供向け番組としては大胆なもので、多くの視聴者に衝撃を与えました。

 また、サロメは妖艶な見た目だけでなく、冷酷で支配的な性格も大きな特徴です。部下を容赦なく切り捨てる非情さを持ち、敵ながらも圧倒的なカリスマ性を感じさせる存在として描かれています。

 サロメを演じたマキ上田さんは女子プロレスラー出身で、ジャッキー佐藤さんと「ビューティ・ペア」というタッグを組み、一世を風靡した経歴を持っています。そのバックボーンを反映するかのように、作中でも格闘術を駆使した戦闘シーンが多く盛り込まれました。

 マキ上田さんのしなやかさと力強さを兼ね備えた動きはキャラクター性と見事に重なり、サロメという存在の魅力をより際立たせています。

●小悪魔的な魅力で人気を集めた女ボディガード

 壮大な科学と生命をテーマに、地球侵略を目論む「新帝国ギア」との戦いを描く『超電子バイオマン』は、「スーパー戦隊」シリーズ第8作として1984年に放送されました。個性的なキャラが多く登場する本作のなかでも、「ファラキャット(演:大島ゆかり)」という敵キャラは、現在も高い人気を誇っています。

 ファラキャットは、ギアの主要幹部のひとりである「ファラ」に仕える女性型メカ人間です。猫を思わせるしなやかな動きと挑発的な言動が特徴で、小悪魔的な魅力を前面に押し出した存在として描かれています。ピンクと黒を基調としたタイトな戦闘スーツに身を包み、抜群の格闘センスを発揮してバイオマンを終始苦しめるなど、愛らしさと強さをあわせ持つキャラとして強い印象を残しました。

 ファラキャットを演じた大島さんは、この役で注目を集めたのち、香港へ渡って武術を生かしたアクション女優として大活躍したことでも知られています。当時から定評のあったキレのある動きはキャラの魅力をさらに引き立てていました。

 ちなみに、ファラキャットは劇場版『超電子バイオマン』で「キャット軍団」という3人組を従えて登場しています。3人がそれぞれ異なる武器で戦う点も個性豊かな戦闘スタイルに繋がっており、見どころのひとつとなっていました。

●裏切りと葛藤を抱えた異色の女幹部

『超電子バイオマン』の次に放送されたシリーズ第9作目『電撃戦隊チェンジマン』で登場する女幹部「副官シーマ(演:藤枝かな(当時、現:富田果菜))」は、悲劇的な過去と複雑な内面を持つキャラとして知られています。本作は、地球侵略を狙う宇宙帝国「大星団ゴズマ」と戦う5人の戦士の姿が描かれ、そのなかでもシーマは物語に深みを与える存在として強い印象を残しました。

 シーマは「アマンガ星」という星の元王女であり、母星再興のためゴスマのボス「星王バズー」に従う道を選びます。赤と黒を基調としたコスチュームで、美少女のビジュアルながら、戦闘時には男性のような声で話すというギャップも特徴的です。

 シーマは、ゴスマの軍司令官である「ギルーク」の副官として前線で指揮を執りながら戦っていましたが、物語終盤、仲間の「航海士ゲーター」の離反や、自らの意思とは関係なく戦わされていたことをきっかけに、バズーへの忠誠心を徐々に失っていきます。最終的にはチェンジマン側に立ち、最後までゴズマと戦いました。

敵から味方へと立場を変えていくその姿はもちろん、シーマの端正な顔立ちに心を奪われた人も多く、現在も人気の高い女幹部として語り継がれています。

(LUIS FIELD)

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LUIS FIELD

マンガやアニメをこよなく愛するライターが多く在籍する編集プロダクションです。幅広い年代が所属し、レトロ系から新作までおさえた「語りたくなる」記事を心がけています。

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