ツッコミ殺到、ウルトラセブンの「迷セリフ」 そのままオンエアされた理由が意外すぎた?
『ウルトラセブン』の第1話に登場する「クール星人」は、とある「迷セリフ」でも有名です。そのセリフはどのくらい意図的に用意されたものだったのでしょうか。
「お前が言うな」と突っ込まれたが… 意外な真相とは?

シリーズ最高傑作の呼び声も高い『ウルトラセブン』ですが、本作を傑作たらしめている要素のひとつに「名セリフ」の多さが挙げられるでしょう。随所に、現代人にも深く刺ささる言葉が散りばめられています。
一方、作中には迷言だってあります。ファンの間でも屈指の迷言とされているのが、第1話「姿なき挑戦者」に登場する「クール星人」のセリフです。
このクール星人というのが、シラミとクモを合体させたようなビジュアルで、お世辞にも「強そう」ではなく、なかなか間の抜けた印象を与えます。他方、本人たちは、かなり勝気な性格をしており、地球人に対して、意気揚々と宣戦布告するのです。その中で飛び出すのが、かの有名なセリフです。
「人類なんて我々から見れば昆虫のようなものだ」
お前が言うなとツッコみたくなる、実に素晴らしいセリフを放つのです。クール星人はその後、「ウルトラセブン」によって瞬殺されてしまいます。
さて実際のところ、この「人類なんて……」のセリフは、どこまで意図的に用意されたものなのでしょうか。
当時の制作スケジュールを調べてみると……どうやらこの「ツッコミどころ」は偶然の産物らしいのです。
というのも、まず大前提『ウルトラセブン』は他シリーズ同様、「特撮班」と「ドラマ版」で、制作スケジュールが分かれていました。脚本段階では、まだ宇宙人(怪獣)のデザインが未決定であることも多かったのです。
そしてこの第1話「姿なき挑戦者」の決定稿が仕上がったのが1967年8月19日であり、そこにはクール星人の外見に関する描写指定はありません。そしてクール星人のデザインが着ぐるみ造形担当者に届けられたのは、脚本完成から2日後の8月21日でした。
『ウルトラセブン』に登場する宇宙人(怪獣)のなかでも、屈指の「虫っぽい」ビジュアルのクール星人に、このようなセリフが用意されてしまうとは……『ウルトラセブン』という作品は、「偶然の神」から祝福されていたとしか思えません。
(片野)
※参考書籍:『ウルトラセブンの帰還』(白石 雅彦)

