『ウルトラセブン』のアイロス星人は星人なのか怪獣だったのか 公式の答えは
『ウルトラセブン』の「アイロス星人」は怪獣のような見た目をしています。というか、怪獣にしか見えません。あれはもしかして、本当に怪獣だったのではないでしょうか。
星人?星獣? 長年の疑問の答え

『ウルトラセブン』は前作『ウルトラマン』の怪獣路線と異なり、宇宙からの侵略者との戦いが主軸でした。もちろん怪獣は登場しますが、基本的には宇宙人の使役怪獣というポジションです。たとえば「エレキング」は「ピット星人」が、「パンドン」は「ゴース星人」が、それぞれ陰で操っていました。そして、現在もファンの間では「宇宙人」なのか「(使役)怪獣」だったのか、判然としていない者がいます。
それは1967年12月24日放送の第13話「V3から来た男」に登場した、「アイロス星人」です。
アイロス「星人」というのだから、宇宙人に決まっているのではないか、と思われるかもしれません。たしかに、この回にはアイロス星人が登場します。問題は、この回で「ウルトラセブン」と格闘したあの鳥のような怪物が、本当にアイロス星人だったのかどうかです。
いったい、どうしてこのような疑問が生まれたのか、順に説明します。アイロス星人は、地球に飛来したのち、「ウルトラ警備隊」の「フルハシ」、「アマギ」を人質にとり、燃料を要求します。しかし、燃料を渡しても、人質は解放されません。
卑怯にも約束は反故にされたのです。そして、最終的にウルトラセブンとアイロス星人の、肉弾戦へと発展するのでした。なお、「キリヤマ隊長」と同期の「クラタ隊長」との友情が描かれる、人気エピソードでもあります。
いま述べた通りアイロス星人は、実に卑怯で狡猾です。加えて高い科学技術と知能を持ち、フルハシやアマギを意のままに操りました。
ところが、いざ巨大化したアイロス星人は、それまでの知能犯的な側面が消失してしまいます。完全に「怪獣」としてセブンと対峙し、猛禽のような雄叫びを上げながら暴れ回るのです。ビジュアルも声から想像できぬほどに、怪獣然としていました。
この落差が、彼の「怪獣」説を生んだといってもいいでしょう。実際、見れば見るほど、「本当のアイロス星人」が、最後に送り込んだ怪獣のように思えてなりません。実際、『ウルトラセブン』には名前だけ登場してほぼ姿を表さない宇宙人も、複数登場しています。果たして、その真相は……?
台本の「決定稿」の記述から判断するに、どうやら怪獣説は否定してもよさそうです。というのも、決定稿にはアイロス星人が等身大の姿で、ウルトラ警備隊を襲うシーンが用意されていました。放送上ではカットとなりましたが、セブンと死闘を繰り広げたのは、たしかに巨大化したアイロス星人だったのです。
とはいえ、この「余白」が、私たちに未知なるアイロス星人(本物)を想像させてもくれました。真相も大事ですが、その余白に存在したロマンもまた、忘れがたいものです。
参考書籍:『ウルトラセブンの帰還』(白石雅彦)
(片野)
