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『帰ってきたウルトラマン』郷秀樹の名前は「郷ひろみと西城秀樹」から取った? まだ語られる都市伝説へのアンサー

『帰ってきたウルトラマン』郷秀樹役の団時郎さんは、父がアメリカ人、母が日本人のハーフです。身長187cmですらりとしたモデル体形だったため、一部の女性からはアイドル的な人気もあったといいます。

再放送の頃には郷さんも秀樹さんも売れっ子だったから広まった?

「帰ってきたウルトラマン MUSIC COLLECTION」(日本コロムビア)
「帰ってきたウルトラマン MUSIC COLLECTION」(日本コロムビア)

 放送開始から55周年を迎える『帰ってきたウルトラマン』(以下、『帰マン』)の主人公は、「郷秀樹」です。この名前は「当時の人気アイドル・郷ひろみさんと西城秀樹さんをかけ合わせたものだ」と言う話を、聞いたことがありませんか。いまだに信じている人も多いようですが、こちらは都市伝説です。

 年表でたどると、この説にははっきりした矛盾があります。『帰マン』の放送開始は、1971年4月です。一方、西城秀樹さんの歌手デビューは1972年3月、郷ひろみさんは同年8月でした。

 つまり、「郷秀樹」という名前のほうが1年以上早く世に出ており、このふたりから取った説は時間的に成り立たないのです。特撮ファンのあいだでは有名な都市伝説ですが、一般的には意外と知られていない事実かもしれません。

 では、郷秀樹の由来は何だったのでしょうか。この名前を考えたのは、『帰マン』で数多くの脚本を手掛けた上原正三さんです。上原さんによると、「郷」は「ふるさと」、「秀樹」は「秀でた樹」という意味を込めて名付けたといいます。このエピソードは、上原さんのインタビューや関連書籍などでも紹介されていました。

 また、その由来を聞くと、キャラクター像にも納得できます。過去の『ウルトラマン』、『セブン』はあくまで別世界の物語という設定でしたが、『帰マン』は現実社会に根ざしたドラマ設定です。郷秀樹は、「ハヤタ隊員」、「モロボシ・ダン隊員」以上に、人間的な弱さや葛藤を前面に出したキャラクターで、社会の中で苦しみ悩みながらも、成長していく若者として描かれました。

 さらに時代背景を考えると、「郷」という名前にはより深い意味が感じられます。当時は高度経済成長の真っただなかで、地方から都会へ移り住み、新しい生活を始める若者が数多くいました。故郷を離れながらも、その存在を心の支えにしていた人も少なくなかったでしょう。そう考えると、「ふるさと」を意味する郷という名前は、当時の世相にもよく合っていたように思えます。

 ただ、「郷」と「秀樹」という組み合わせが、後に国民的人気を獲得する郷ひろみさんと西城秀樹さんの名前と重なったのは驚くべき偶然です。推測ですが、ふたりの人気が上がると同時に『帰マン』の再放送も増えたため、このような意外性のあるうわさが広まったのではないでしょうか。

 ウルトラシリーズの主人公と、1970年代を代表するスターたちの名前がこれほど見事に重なった例は珍しいでしょう。その偶然の一致が、半世紀以上たった今でも語り継がれる都市伝説を生み出したのかもしれません。

※参考資料『検証・第2次ウルトラブーム 帰ってきた帰ってきたウルトラマン』(辰巳出版)

(石原久稔)

【画像】あれ、発売時期が『帰ってきたウルトラマン』より… コチラが西城秀樹と郷ひろみの1stシングルです

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